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秘密保持のトレードシークレットという手法(2ページ目)

特許は出願すればよいというわけではない。トレードシークレットという手法もある。秘密に保持し続けるといった選択肢だ。コカコーラ社は、ある裁判での原液成分の開示要求にも、最後まで開示せずに勝訴している。

執筆者:木村 勝己


20年以上の保護期間

法律上の保護を与えられるためには上記3要件がすべて揃っている必要がある。経営や営業活動における情報のうち、社外に秘匿しておくべき顧客情報、仕入情報、人事情報、ファイナンス情報などが該当し、商品開発や製造上のノウハウのうち秘密に管理すべきものもトレードシークレットとなる。

工場内での製造方法のアイデアのように、侵害の摘発や立証が困難で公開されることによる不利益が大きいものも、トレードシークレットによる保護が有効といえる。

特許の保護期間は20年であるが、技術の中には20年以上にわたり使われるものも多い。この場合もトレードシークレットによる保護が有効になる。有名なものではコカコーラの原液の成分、ケンタッキーフライドチキンのスパイスの成分、シャネルの香水の調合方法などがある。またラーメンの垂れなどの「秘伝」といわれるものが該当する。

コカコーラ原液成分の秘密管理

コカコーラ原液処方の秘密管理はトレードシークレットの代表!

特にトレードシークレットを生命線としているのはコカコーラ社である。コカコーラの原液全ては米国本社で作られ、世界中のボトラーがそれを炭酸水で割って売る仕組みである。コカコーラの原液の処方は銀行の金庫に保管され、数名の役員のみが見ることができるといった話もある。

ダイエット・コーク発売時、ボトラーズ側による原液卸売り価格の引下げ裁判でも、コーク成分の開示要求が出されたが、最後まで公開せずに勝訴している。

1990年に改正された不正競争防止法で、トレードシークレットの不正な取得・使用・開示に対して民事的制裁である差止め(差し止め請求権)と損害賠償(損害賠償請求権)を課されるようになったが、2004に施行された不正競争防止法では、民事的制裁の強化と刑事罰の新設がされている。

そして次ページのように秘密情報流出の危険は大きくなっている。
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