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流通業界の風雲児、ドン・キホーテ安田隆夫社長の起業物語(2ページ目)

今回はド素人から這い上がって起業、年商2300億円の会社を作りあげたドン・キホーテの安田隆夫社長の登場である。本業以外にも連続放火事件や六本木店屋上での絶叫マシン営業問題と話題は絶えない。

執筆者:木村 勝己


お客の勘違いがヒント

夜逃げ寸前の状態であったが、閉店後に安田氏が一人で商品整理をしていると、お客さんがやってきた。店内は狭いので、シャッターを開けたまま商品を路上に積み上げ、照明もつけっぱなしで作業をやっていたので、まだ営業していると勘違いしたらしい。この時、喜んで商品を売ったそうだ。

当時はコンビニも午後11時閉店のときであったが、安田氏は気づいたのである。夜遅くの買い物需要があると、そして商品の詰め込み陳列はお客に親近感があると。そして、今のドン・キホーテの販売スタイルが確立されたのである。

自由な発想と情熱が成長の原動力

1988年、東京・府中にドン・キホーテ第一号店を開店。深夜営業を始める。陳列も従来のチェーンストアの、見やすく、買いやすく、取りやすくに対して正反対の内容である。お客が新しい、楽しいものを自らが探し求める宝探しのようなワクワク感に訴えている。業界の常識に捕らわれない、自由な発想と情熱が成長の原動力となったといえる。

反面、深夜営業は夜間の交通渋滞や騒音・振動などの問題を引き起こし、ドン・キホーテの特徴である圧縮陳列では、避難経路確保など消防法上の問題をかかえている。2004年の埼玉県さいたま市の連続放火事件では死亡者をだしてしまった。

また2005年12月に六本木店屋上で営業開始を予定していた、「ハーフパイプ」という絶叫マシンの建設が、振動や騒音の問題により近隣住民とのトラブルになった。現在のところ一度も使われないまま、営業を断念している。

周辺住民や商店街、さらには人命を尊重した、ドン・キホーテの体制作りが今後の安田社長の課題といえそうだ。

<関連リンク集>

ドン・キホーテ
http://www.donki.com/index.php


アイデアの発想法
http://allabout.co.jp/career/invention/subject/msub_hassouhou.htm

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