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親子鑑定や個人特定など目的は多彩、拡大するDNA鑑定

私たちの生活にDNA鑑定が身近になってきた。犯罪捜査の重要証拠や身元不明人物の確定はもとより、親子関係の証明にも利用されてきている。不確定な問題に対しての争いに、重要参考書類としての効果はおおきい。

執筆者:木村 勝己


身近になってきたDNA鑑定

私たちの生活にDNA(デオキシリボ核酸)鑑定が身近になってきた。犯罪捜査の重要証拠や身元不明人物の確定はもとより、親子関係の証明にも利用されてきている。

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楽しい家庭にDNA鑑定が寄与する場合も多い
従来の親子鑑定は、ABO式血液型による親子鑑定に依存していた。しかしこの血液型による鑑定では、鑑定結果の精度に問題が生じる場合がある。両親の血液型の組合せによっては、A型、B型、O型、AB型すべての血液型の子供が生まれる可能性が出てしまう。

このような中、DNA鑑定の精度は高い。親子である場合99%以上肯定し、親子でない場合は100%否定可能である。

このDNAの構造と遺伝の関係が明らかになったのは、1953年といわれる。そして1985年になり、DNA鑑定により親と子の遺伝的つながりが証明できるようになった。


塩基配列の特徴から鑑定

世界最初にDNAによる個人特定を確立したのは、イギリス・レチェスター大学のA・ジェフリーズ教授である。これはDNAフィンガープリント法と名づけられた。指紋と同様に個人を特定できるという意味からきているそうだ。

そしてDNA親子鑑定は、DNAを構成している塩基の配列の特徴を親子間で調べるものである。この塩基配列は、人間の体を形づくる細胞すべてに存在し、その遺伝情報は親から子へ、子から孫へと受け継がれる。

この配列は必ず両親から2分の1ずつ受け継がれるという。この配列により特定の部位数カ所を調べることによって、父と子が親子であるかどうかを鑑定することができる。

初期のころは一定量の血液を採取しなければ鑑定が困難な状態であったが、現在は口腔内の粘膜を綿棒状のスティックで、軽く擦り取るだけで鑑定ができるようになってきた。個人のものと断定できれば、毛髪やへその緒といった特殊サンプルからも鑑定ができる。

そして次ページのように鑑定の目的は多彩だ。
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