思考錯誤による試作
ここから完成品が出来るまでは試作を色々繰り返した。まず、キルティングだと男の子の評判が良くないので、ジーンズの生地で作ってみたがほつれや雨で色落ちがあり、最終的には丈夫で雨でも大丈夫なナイロン生地のものになった。また背負いベルトの固定方法も、最初は肩の部分の金具へ針金で固定したが、最終的には取りつけヒモになっている。使用法は、筒状の吊り下げ具にランドセルの肩ベルトを通し、下部にあるリングに防犯ブザーを吊るし、上の方をヒモでランドセルの金具と結びつけるものである。常に胸のところに防犯ブザーがあるため、とっさの使用ができるようになった。
この吊り下げ具に子供の名前や、塾のマークを入れられることも検討したそうであるが、これはかえって危険を呼ぶのでやめたそうだ。この辺の配慮も万全といった感じである。
小学校PTAが採用
これは特許、意匠出願し商品化した。小学校PTAが採用したり、文房具店をはじめ商品の取り扱い店が増え、またネットショップへの出展も行っており、今後の利用者増が期待される発明品である。“ブザーつりつり”は商標も出願したとのことで、知的財産権への取り組みも積極的に行っている。インタビューの中で、子供への愛情が感じられた。そこからくる観察力が多くの発想を促している感じだ。子供が小さいときクツを左右履き違えるのを見て、白いクツには左右がわかるような絵を書いたそうである。洗濯が忙しい時など、子供のお尻を優しく叩いてあやしてくれるものはないか考えたりと、主婦ならではの発想の豊かさが感じられた。
そして販売活動も次ページのように積極的に進めている。