ホログラムの2方式
ホログラム光ディスクの記録には2つの方法がある。その一つは角度の異なる2つのレーザー光の干渉でできる縞を利用した、“2光束干渉法”といわれるものである。もう一つは“コリニアホログラム方式”といわれ、“参照光”とデジタル情報を保持した“情報光”を同軸状に配置し、一つの対物レンズでメディア上に照射し、その干渉パターンを記録するものである。
これにより、従来複雑で大型になっていたホログラム記録・光学系の簡素化、小型化に成功している。コリニアホログラム方式は、オプトウエアの堀米秀嘉氏によって提唱され独自開発されたものだ。
ホログラムで重ね記録
CDやDVDはデータをビット単位で、レーザーによりディスク上に面記録する。記録密度を上げるには、データを書き込むペンに相当するレーザーを、細く(波長を短く)する必要がある。ホログラム方式では、デジタル情報を2次元ページデータに変換して、光の干渉縞の形で記録する。一度に何枚ものページデータを重ね記録することができ、大容量記録が可能となっている。
この大きな特徴としては、非改ざん性がある。HVDは一度書いてしまうと破壊はできても絶対に改ざんできないということだ。データストレージとして重要な部分だ。また量産には既存インフラが使えるといったメリットもある。
着実に進む標準化への動き
HVDは、国際標準化団体であるEcmaインターナショナルの技術委員会「TC44」で規格化が検討されている。TC44は、オプトウエアをはじめ、CMC Magnetics Corporation、Strategic Media Technology、東亜合成株式会社、パルステック工業株式会社、富士写真フイルム株式会社の6社がEcmaに共同提案を提出し、設立が決定されたものである。
この6社は2月に、ホログラムディスク規格の推進団体「HVDアライアンス」の設立を発表している。今春の正式発足に向け、会員規約の制定や組織体制の整備などの準備を進めているそうだ。
そして次ページのように4規格が提案されている。