世界初、酸化亜鉛青色発光ダイオードの開発?
世界初の青色発光ダイオード(青色LED)の開発に成功!これは東北大学金属材料研究所が発表した成果である。青色発光ダイオードは、既に日亜化学時代に中村修二氏(米・カリフォルニア大教授)が開発に成功している。職務発明に関する特許訴訟で200億円の判決がでて、一時話題になったのでご存知の方が多いと思う。“何でいまさら世界初?”と首をひねっている人も多いのではないだろうか。
酸化亜鉛のp型結晶合成に成功
青色発光ダイオードアレイに5mAの電流を流した時の発光状態写真:独立行政法人 物質・材料研究機構
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青色より波長の短い紫外領域の光を出せるため、次世代DVDなどの記録密度を上げることが期待できる。
酸化亜鉛から発光させるには、p型と呼ばれる正孔の多い酸化亜鉛結晶の合成が必要であるが、技術的に実現は困難とされていた。酸化亜鉛は、不純物や格子欠陥から供給される電子が多く、自然にn型になりやすい特徴を持っている。
このような状況で開発に成功したのは、東北大学金属材料研究所の川崎雅司教授のグループである。
それには次ページにあるように、成長温度変調法の開発が重要なカギを握る。