構造は大きくは4つの部分からなる。ブレードと呼ばれるプロペラの部分と、ハブと呼ばれるブレードと回転軸を接続する部分、ナセルと呼ばれる回転軸の回転エネルギーで発電する発電機や制御部等の収納部分、そしてこれらを搭載する支柱のタワーである。
風上にブレードを向けるために、尾翼や風向計により自動で首を振る方法や、回転軸と発電機の間には回転を高速にするための増速歯車が設けられている。
開発進む強風対策
強風に対してはブレーキ機構が内蔵されており、回転数の制御がなされている。三菱重工業は風速70メートルの強風にも耐えられる制御技術を開発したと、この3月発表した。
風速が28メートル以上になると、発電部が180度回転して風下を向き風の抵抗を避ける。この特許技術を基に、台風の多いアジアや洋上用風力発電機への採用を、各社に呼びかけている。
設置場所の課題
クリーンエネルギーとして期待される風力発電であるが、設置場所の問題がある。景観やブレードの回転による騒音のため、住宅地の近くには設置しづらい。
広い土地のあるところは国立公園などが多く、また高原などでは自然保護団体などとの調整が必要といえる。北海道のある町では国立公園の指定域拡大に際し、風力発電の設置が既にあり、今後も開発を自由にしたいとの理由から指定地域から外れることを決めた。
環境省は国立・国定公園内の風力発電用風車の建設について、地方自治体や電力関係企業などからヒアリングを進め、許可基準の検討を始めた。
小規模発電をした事業者から余剰電力を電力会社が買い取る制度など、普及を後押しする仕組みが必要のようだ。
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