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生活が一新!無線ICタグ ブタからスイカが生れた!?(2ページ目)

家畜の耳に埋め込まれた無線応答機であるが、無線ICタグとして多くの分野でその応用が期待されている。ユビキタス時代に向けて要素技術となるのか、その潜在力を覗いてみた。

執筆者:木村 勝己

ルーツは家畜の管理

そもそもこの技術は、米国のメーカーTI(テキサス・インスツルメント)のドイツ研究所が、1987年に家畜の管理用に開発したものである。マッチ棒くらいのガラス管にメモリーとアンテナを内臓したものを豚などの耳に埋め込み、飼育記録をコンピューターで管理する為である。

読み取り専用タイプの非接触ICタグ
写真提供:セイコープレシジョン株式会社
その後、工場や倉庫の物流管理や駐車場の管理などに実用化されている。日本でもスキー場のリフトの自動改札システムで採用された。非接触ICチケットのついたバンドを腕につけ、改札口を通過するものであり、手袋をしたままでも改札口を通過できリフトの渋滞解消に貢献した。

また、マラソンのゴール記録システムとしても採用された。参加者のゼッケン番号をメモリーに書き込んだ無線ICタグをゼッケンに縫い込み、ゴールには指向性の強いアンテナを立て、電波を送受信して選手の番号と時間と順番をパソコンで管理するものである。

期待される応用開発

これからのIT分野やユビキタス時代に革新をもたらすであろう無線ICタグであり、応用開発が進んでいる。既にCDや図書館の本の盗難防止に利用されている。

流通分野では無線ICタグでは混在読み取りができるため、バーコードに代わる高度な商品・在庫管理ができる。商品や車両などにICタグをつけて配送すると、各拠点に設置された送受信機によって、必要なときに必要な情報の読み出しや書き換えができる。

ネットワーク接続によりその履歴をすべて記録、追跡できるようになり、物流システムへの大きな改革が期待されている。食品の生産地や生産者及び流通経路も確認できるようになり、消費者への恩恵も色々得られそうだ。

これを応用した無線ICカードとしては、JR東日本のSuica(スイカ)が身近な存在になっている。読み取り距離を1cm位として、タッチアンドゴー式で改札ができる。そして次のように規格標準化も進み出した。
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