世の中デフレスパイラル状態であり、消費者の財布の紐は固い。また、商品を見定める目は厳しさを増しており、ヒット商品を生み出すには難しい状況になっている。

しかしこのような状況においても元気のいい商品は出てくる。発売以来確実に市場での売上を伸ばしているものもある。今回は売上台数を大幅に伸ばした「電動アシスト自転車」のヒットのヒミツを探ってみたい。

電動アシスト自転車のヒット

地味ではあるが、着実に販売台数を伸ばしている電動アシスト自転車。自転車にモーターとバッテリーが付いており、発進時や上り坂などモーターの助けを得て楽に走れるようになる。商品開発の着想は極めてシンプルだ。

電動アシスト自転車
車体重量は18.7kg。アシストのない普及型の自転車と大差ない。(写真提供:ナショナル自転車工業株式会社)
ヤマハ発動機が最初に発売した1993年度の販売台数は3000台ほどであったが、現在は多くのメーカーが参入し、2001年度には30万台を超える市場規模に成長。50cc原付の販売台数に迫る勢いである。

発進時、登坂時にはだれもが驚くほど力がいらないことに加え、運転免許がなくても乗れるという手軽さ。バッテリーは簡単に着脱ができ、フル充電すると最長60キロの走行が可能となるなど、ここまでのヒットも納得できる。

では、このシンプルな製品が今になるまでヒットしなかったのは何故か? 駆動部分には特許技術が使われているが、この開発は21世紀を待つまでもない。実は、ヒットを阻害していた要因は、今から十数年前に携帯電話の普及台数が伸び悩んでいたときと同じものである。