イギリスの発明家ジェームズ・ダイソン氏(1947年生)は、数々のヒット発明品を世に送り出し、イギリスの歴史上、最も成功している発明家の一人として賞賛されている。
彼の発明の原点には、日常生活の中で感じる不満や不便に対する積極的な取り組みがあるようだ。その原因を徹底的に突き止め、解決策を得ようとする姿勢が、多くの先進的な商品開発につながっている感じである。
ゴミパック不要の掃除機の発明
何といっても凄いのは、1993年に発表した、ゴミパック不用のサイクロン式掃除機の発明だろう。彼を一躍有名にした商品であり、イギリスの掃除機のシェアを50%以上とっているそうである。
ダイソン氏とサイクロン掃除機写真提供:ダイソン株式会社
吸いとったゴミやホコリを、音速で竜巻状に回転させて二重に振り分ける方式であり、初めてその仕組みを考えついたのは1978年のことだそうである。
発明には試作が大切
商品化までに失敗や工夫を重ね、15年間の歳月を費やしたことになる。その間に作られた試作品の数は5,127台になったそうだ。
あるテレビ番組で、“アイデアをものにするには多くの壁にぶつかるが、これには倍の努力をしても乗り越えようと思うことが大切で、そうすれば必ず解決できる”といった彼のコメントが重く伝わってきた。
その多くの発明品のいくつかを紹介すると、次のページのようになる。