《使い捨てカイロ》
“火の無いところに煙がもうもうな~んだ?“といったなぞなっぞがあったが、火が無いのに熱くなるものがあった。つまり使い捨てカイロである。
この原理はわかりやすい。鉄は酸化すると熱を発するのであるが、このカイロは、鉄の酸化反応による反応熱を利用しているのだ。当然酸素が必要になり、また熱を持続させるために反応速度を上げる必要がある。
1.鉄を細かくする(反応面積を多くするため)。
2.次に食塩水を染み込ませた木炭粉を混ぜる(酸化を促進させることができる)。
3.鉄が外へ出ないように、二重構造の袋に入れて出来上がり。
使用時に外の密閉袋を破くと、内袋の通気穴を通して酸素が送られ、酸化反応が起こるのである。これにより野外観戦や冬場の作業も楽になったのである。
この使い捨てカイロはロッテが最初に発売している。あのお菓子メーカーの会社である。開発はロッテ電子工業株式会社が担当した。
お菓子の中に入れる脱酸素剤(お菓子の酸化を防ぐもの)の、効果の大きなものを作ろうとして、原料の鉄粉や活性炭の量を増やす実験をしていたとき、大きな熱の発生を発見した。
熱が出てはお菓子には使えないのであったが、開発者の一人がカイロに使えると考え、使え捨てカイロの誕生となったのである。
このカイロの誕生は1978年であり、「ホカロン」と名付けられ販売された。そしてテレビによる宣伝効果も手(鉄?)伝って、爆発的なヒット商品となったのである。
今では20数社から商品化され、貼るタイプ、靴の中に入れるタイプ、座布団タイプのものなど様々な形態のものが出ている。
このように学生時代の理科で習った基本的な原理で、多くの発明品が生まれているのが嬉しい。