新素材を応用した発明品は多い。その特徴を巧みに利用したもの、さらに本来とは思わぬ方向に応用したものなど、そこにはアイデアのヒントがいっぱいだ。

《形状記憶合金ブラジャー》
ワコールの商品、ソフィブラ・ここちEを覚えている人は多いと思う。1985年春完成したハイテクブラジャーである。テスト販売後、1986年の春から夏までのキャンペーンでの売上が60万枚という大ヒット商品である。ワコール中央研究所の篠崎さんが、1年の期限でぶらぶら社員をやっていた時に、新素材セミナーで見つけた形状記憶合金がこの発明の種になっている。


形状記憶合金は高温の状態である形を記憶したものであり、力を加えて変形しても、ある温度を加えると最初に記憶した形状に戻ることができるものである。この合金は1970年にアメリカ海軍兵器研究所で発見され、最初はF-14戦闘機の油圧パイプのジョイントに使われたものである。

この形状記憶合金は話題先行でその応用が期待されていたが、あまりヒット商品は出ていなかった。そこに現れたのがブラジャーへの応用である。この思わぬ分野での採用に、形状記憶合金のマーケットは大きく伸びたのである。

ワコールはこの形状記憶合金を、従来のブラジャーにある胸用カップのワイヤーとして採用することで、洗濯で伸びたり曲がったりと変形しても、体に装着すればその体温で記憶された元の形に復元させることのできる、商品の開発に成功したのである。

ソフトなブラジャーと硬いイメージの合金との組み合わせであるが、発明のヒントは意外なところにあるものだ。

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