営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

対立せずに上手にお客さんを誘導する(3ページ目)

交渉術の極意第3弾は、お客との対立を避ける方法、自分の望む方向へお客を誘導するテクニックについて、ご紹介します。交渉シーンだけでなく、商品売り込みのシーンでも十分活用できます。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

フォーカス誘導法:凝り固まったお客さんの視点をずらす

フォーカス誘導法は、お客さんがある1つの条件に強いこだわりを持っているために、交渉が前に進まないときに用います。

例えば、「おたくの会社よりも、M社の商品の方が10%も安いんだよね」というふうに、値段ばかりに目がいっているお客さんっていますよね。人間は、一度こだわり出すとどんどん視野が狭くなっていくもの。


こういう場合営業マンとしては、お客さんによりよい商品選択をしてもらうためにも、値段にこだわっているお客さんなら値段以外の部分、納期にこだわっているお客さんなら納期以外の部分にも目を向けさせたいものです。そんなときにフォーカス誘導法を用います。


フォーカス誘導法には、大きく2つの手法があります。1つはお客さんの視点をマクロに誘導する手法。もう1つは、お客さんの視点をミクロに誘導する手法です。

フォーカス誘導法~マクロに誘導する

「マクロに誘導する手法」とは、「この商品を購入しようかと考えているそもそもの理由」まで、お客さんの視点を遡らせることです。具体的には、

営業マン:「今回、商品購入を検討されている目的を、もう一度ご確認させていただいていいですか」

お客さん:「ああ、いいですよ」

営業マン:「御社は、製造工程の短縮化を一番の課題としてとらえていらっしゃるわけですよね。やはりそこを大前提に、目的に合致した商品を購入することが大事だと思うんですよ」

というふうに話していきます。これによってお客さんを「そういえば一番大切なのは値段じゃなかったんだ」「納期じゃなかったんだ」ということに気づかせ、お客さんの視点を本来の購入目的へと誘導させるわけです。

フォーカス誘導法~ミクロに誘導する

一方「ミクロに誘導する手法」とは、「買うことを前提にした選択肢を提示する」ことで、お客さんの意識をこだわっている以外の部分へと向かわせるというものです。具体的には、例えば値段にこだわっているお客さんに対してなら、

営業マン:「仮に商品を購入するとすれば、次の3つのタイプの機能特徴を持つ商品のうちどれを選びますか。1つは○○。2つめは△△。3つめは××」

お客さん:「うーん。どれも一長一短あるけれど、あえて言えば2つめかな」

営業マン:「なるほど、そうなんですね。でも2つめを選ばれたのはどうしてなんですか」

というように話を進めていき、話題の中心を「値段」から「機能」へとずらしていくわけです。


今回紹介した駆け引きテクニックは二つだけでしたが、ほかにもまだまだあなたの交渉術を高めるためのテクニックはたくさんあります。いずれ機会を見て、また紹介することにいたしましょう。

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