営業のノウハウ/営業の基礎知識

提案営業の本質を考えてみよう 提案営業はなぜ失敗するのか(2ページ目)

提案営業・ソリューション営業・コンサルティング営業。どれも理にかなった営業手法だが、やってみると上手くいかないのはなぜだろうか?そして提案営業の本質とは?

執筆者:鹿俣 之信

何を解決するのかを理解していない

提案営業で陥りがちなミスは、商品やサービスそのものを提案してしまうことである。提案営業は「顧客が抱える問題の解決策を提案する営業手法」である。顧客の問題を解決する手段として、商品やサービスを提案するのだ。商品やサービスそのものを提案するのではない。

また、顧客が抱える問題には、現場の担当者が業務を進めるうえでの些細な問題から、企業の存続を左右する経営上の重要課題まで、さまざまな種類がある。提案営業でターゲットとする問題は、経営上の重要課題だけである。例えば、売上の増加、経費の削減、利益の増加、生産性の向上、シェアの拡大、新規顧客の開拓、既存顧客の維持などである。

企業はこれらの重要課題を解決するために、継続的な改善を行なわなければならない。そうしないと競争に勝ち残ることができないからだ。どんな企業もこれらの課題を解決するために投資をする。新しい機械やシステムを購入したり、アウトソーシングなどのサービスを利用したりする。顧客が抱える問題を「経営上の重要課題」に絞って考えれば、そこには永遠に絶えることのない切実なニーズがあるのだ。

私たちの提案は、顧客(の経営陣)が抱える「経営上の重要課題」を解決できるものでなくてはならない。さらに、どの程度効果があるのかを、具体的な数値で表さなければならない。効果を予測できないソリューションに投資する経営者はいない。逆に、効果を予測できるソリューションに投資しない経営者もいない。

提案営業の本質は・・・

提案営業の本質は、営業担当者からビジネスパートナーへの転身である。提案営業が成功するということは、営業担当者としてではなく、ビジネスパートナーとして顧客に認められることにほかならない。提案営業がうまくいかないとお嘆きのあなたも、この本質を踏まえたうえで、もう一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。

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