営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

異動や担当変更でも困らない! 人間関係の築き方(2ページ目)

異動や担当変更の時期。新しく担当する顧客との人間関係づくりに頭を悩ませていませんか?そんなあなたに、人間関係を築くための、とっても簡単な秘訣をお教えしましょう。

執筆者:鹿俣 之信

好きだといってくれる人を好きになる好意の返報性

私たちは自分に好意を示してくれる人を好ましく思います。この法則は、好意を示してくれる人にお返しをするように好意を示すことから「好意の返報性」と呼ばれます。

「世界で最も偉大な自動車セールスマン」としてギネスブックに載っているジョー・ジラードは、顧客に好意を示すことで顧客の好意を獲得する専門家でした。

彼は毎月顧客に挨拶状を送り、自分が顧客に好意を感じていることを伝え続けました。結果として彼は顧客の好意を獲得し、10年以上もの間トップセールスマンのタイトルを取り続けたのです。

私たちは自分を賞賛してくれる人も好ましく思います。たとえそれがお世辞であっても、私たちはそれを好んで受け入れる傾向があります。

ある実験で、人がいかに賞賛に弱いかが明らかにされています。実験では、被験者が他人(評価者)から評価を受け、その後に被験者の評価者に対する好意の度合いが測定されました。

何人かの被験者は望ましい評価を受け、何人かの被験者は望ましくない評価を受けました。残りはその両方が入り混じった評価を受けました。その結果、望ましい評価を受けた被験者が、もっとも評価者に好意を感じていることが分かりました。

さらに、評価者が被験者から好意を得ようとしていることを、あらかじめ被験者に伝えてから同様の実験が行われましたが、結果は同じでした。つまり、他人からの賞賛は、それがお世辞でも同様に好意を生じさせたのです。

あからさまなお世辞は逆効果だとしても、心からの賞賛や節度のあるお世辞は、相手の好意を獲得するのに効果的だといえるのです。

似ていると好きになる類似性の法則

私たちは自分に似ている人を好みます。服装、趣味、考え方、経歴(生い立ち)、ライフスタイルなど、何かひとつでも似ている部分があると、相手を好ましく思う傾向があるのです。これを「類似性の法則」といいます。

たとえば、初対面の人と会話しているとき、偶然出身地が同じことが分かって話が盛り上がり、急速に親しくなったという経験は、あなたにもあるのではないでしょうか。

私たちはこの特性を利用することで、意図的に相手の好意を獲得することができます。相手と似ている部分を見つけて、それを相手に示してあげるのです。

どんな些細なことでもかまいません。相手が着けている時計のメーカーが自分のものと同じとか、相手の出身地に知り合いがいるとか、相手の好きな作家の本を過去に読んだことがあるとか。

ほんの些細な類似点が、相手の好意を引き出し、良好な人間関係を築くのです。

→ 次は、単純接触効果とハロー効果です。

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