■ 好きだといってくれる人を好きになる好意の返報性
私たちは自分に好意を示してくれる人を好ましく思います。この法則は、好意を示してくれる人にお返しをするように好意を示すことから「好意の返報性」と呼ばれます。
「世界で最も偉大な自動車セールスマン」としてギネスブックに載っているジョー・ジラードは、顧客に好意を示すことで顧客の好意を獲得する専門家でした。
彼は毎月顧客に挨拶状を送り、自分が顧客に好意を感じていることを伝え続けました。結果として彼は顧客の好意を獲得し、10年以上もの間トップセールスマンのタイトルを取り続けたのです。
私たちは自分を賞賛してくれる人も好ましく思います。たとえそれがお世辞であっても、私たちはそれを好んで受け入れる傾向があります。
ある実験で、人がいかに賞賛に弱いかが明らかにされています。実験では、被験者が他人(評価者)から評価を受け、その後に被験者の評価者に対する好意の度合いが測定されました。
何人かの被験者は望ましい評価を受け、何人かの被験者は望ましくない評価を受けました。残りはその両方が入り混じった評価を受けました。その結果、望ましい評価を受けた被験者が、もっとも評価者に好意を感じていることが分かりました。
さらに、評価者が被験者から好意を得ようとしていることを、あらかじめ被験者に伝えてから同様の実験が行われましたが、結果は同じでした。つまり、他人からの賞賛は、それがお世辞でも同様に好意を生じさせたのです。
あからさまなお世辞は逆効果だとしても、心からの賞賛や節度のあるお世辞は、相手の好意を獲得するのに効果的だといえるのです。
■ 似ていると好きになる類似性の法則
私たちは自分に似ている人を好みます。服装、趣味、考え方、経歴(生い立ち)、ライフスタイルなど、何かひとつでも似ている部分があると、相手を好ましく思う傾向があるのです。これを「類似性の法則」といいます。
たとえば、初対面の人と会話しているとき、偶然出身地が同じことが分かって話が盛り上がり、急速に親しくなったという経験は、あなたにもあるのではないでしょうか。
私たちはこの特性を利用することで、意図的に相手の好意を獲得することができます。相手と似ている部分を見つけて、それを相手に示してあげるのです。
どんな些細なことでもかまいません。相手が着けている時計のメーカーが自分のものと同じとか、相手の出身地に知り合いがいるとか、相手の好きな作家の本を過去に読んだことがあるとか。
ほんの些細な類似点が、相手の好意を引き出し、良好な人間関係を築くのです。
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