売れない時代は顧客の維持が大切

新規顧客を開拓できない会社は存続できない。新規開拓のシリーズで、そう書いた。間違いなくそれは真実だ。しかし、「売れる時代」はそれだけでもよかったのだが、いまの「売れない時代」はそれだけでは不十分だ。売れない時代には、新規顧客の開拓以上に「既存顧客の維持」が大切なのだ。

売れる時代。企業は(そして営業マンは)どんどん売ることを考えていた。次々に新しい顧客を見つけては売った。年間に10人の顧客が離れていっても、20人の新しい顧客を獲得できた。離れていく顧客よりも新しい顧客のほうが多いのだから、それでもよしとしてきた。

しかし、売れない時代。新しい顧客を獲得するのが難しくなった。年間に10人の顧客が離れていくとすると、新しい顧客は5人しか獲得できなくなった。そのため、顧客の離反を食い止め、顧客を維持する活動が注目されるようになった。

既存顧客への営業にかかるコストは、新規顧客を開拓にかかるコストの1/5~1/10で済むと言われる。顧客の離反を最小限に抑えることができれば、それほど多くの新規顧客を獲得しなくても、安定した収益を得ることができるのだ。トップセールスマン達はこのことをよく知っている。

満足していても顧客は離れていく

売れない時代では「既存顧客の維持」が最重要課題だ。あなたは、顧客を維持するためにどのような努力をしているだろうか。

「顧客満足」という言葉が、頭に浮かんだのではないだろうか。顧客満足度の向上は顧客との関係強化につながり、結果的に収益アップにつながると考えられてきた。あなたも顧客満足を得るために、さまざまな取り組みを実践していることだろう。

単純に考えると、満足度の高い顧客はずっと顧客でいてくれるような気がする。しかし、そうではないのだ。実は、満足している顧客の15~40%は毎年離れていく。毎年である!!顧客は満足しているにもかかわらず、あなたのもとを去っていくのだ。【参考】実践顧客ロイヤルティ戦略

あなたの顧客は大丈夫?あなたの顧客は、ライバル会社が魅力的な提案をしてきても、誘いに乗らずに断ってくれるだろうか。満足にあぐらをかいていると、大切な顧客を奪われてしまうかもしれない。

顧客満足を超えた先にあるもの

顧客満足だけでは顧客を維持することができないとなると、私たちは顧客満足の先にあるものを目指さなければならない。顧客満足を超えたさらに先にあるもの。それは顧客ロイヤルティだ。

顧客ロイヤルティとは満足を超えた満足「感動をともなう満足」の上に成り立つ。強く感動すると顧客はただの顧客からファンに変わる。商品やサービスに愛着を持ってくれるようになる。これが顧客ロイヤルティだ。

もう少し具体的に言えば、顧客満足が「反復購入」という行動に結びつかないレベルの満足だとすると、顧客ロイヤルティは「反復購入」という行動に直結するレベルの満足だと言える。

ロイヤルティの高い顧客は、次のような特性をもつ。

  1. 繰り返し購入してくれる
  2. 競合他社の誘いに乗らない
  3. 第三者に勧めてくれる

「繰り返し購入してくれる」「競合他社の誘いに乗らない」「第三者に勧めてくれる」という行動そのものが「愛着の証」であると考えることができる。ちなみに、私たちが普段「お得意様」と呼ぶのは、1を満たす顧客のことだ。

前述のとおり、顧客は満足しているにもかかわらず去っていく。満足は必ずしも再購入にはつながらない。また、満足だけでは、競合他社の魅力的な誘いに乗ってしまう。競合他社の提案や値引きなどの理由で、簡単に競合他社に乗り換えてしまうのだ。

顧客の離反を抑え、顧客を維持するためには「顧客ロイヤルティ」という考え方が必要不可欠だ。私たちは「満足」を超えて「ロイヤルティ」を獲得するために、努力していかなければならない。

次回は、顧客ロイヤルティを育成する様々な試みを紹介しよう。


【連載】満足の先にあるロイヤルティ
第1回 満足していても顧客は離れていく
第2回 顧客ロイヤルティの育成(前編)
第3回 顧客ロイヤルティの育成(後編)
第4回 ゼロ以下顧客とロイヤル顧客
第5回 あなたにロイヤルティはある?

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