ロングトークでオチのタイミングを伝える
さて、ロングトーク型では、どのようにオチのタイミングを伝えましょうか? その方法として、大きく2つのポイントがあるのかなと、私は感じています。セントラルクエスチョンと、オーバーアクションの2つです。まずは、セントラルクエスチョンについて。そもそも、セントラルクエスチョンとはなんでしょうか? これは映画などのシナリオつくりで用いられる用語なのですが、そのストーリーにおいて観客の興味の中心となるもののことです。
まだ少し説明がわかりにくいですね。例で示しましょう。
たとえば、映画『タイタニック』ならば、セントラルクエスチョンは「ジャックとローズの恋と身の安全はどうなってしまうのか?!」。たとえば、映画『Death Note』ならば、セントラルクエスチョンは「夜神 月(ライト)とL(エル)の頭脳戦、勝つのはどっち?!」となるでしょう。
セントラルクエスチョンへの回答がオチ
そして、すべらない話のロングトークにおいても、聞き手はこうしたセントラルクエスチョンを持つわけです。ある回で、松本人志先生が「カーナビがおかしな動きをする」というエピソードを語ったことがありました。六本木の住所を指定したときに、カーナビが明らかに変なルートを運転させようとするということを、詳しい描写のなかで話すのです。このとき、私たちが持つであろうセントラルクエスチョンは「最終的に、どうやって目的地にたどりつくの?」でしょうね。そうすると、この質問への回答を語ることで「ここがオチだ!」と伝えられるわけです。逆に言えば、セントラルクエスチョンへの回答以外をオチに持ってこようとすると、すごい違和感があります。
先ほどの松本先生のネタで言えば、オチは「到着したところがどこだったのか?」ということであるのが望ましい。「途中でネコが飛び出してきて、そのネコの顔がすごかった」みたいなことをオチにしても、落ちきらないわけです。「いやいやいや、じゃあカーナビのくだりはいらないでしょう!」となってしまいます。
次のページでは、もう一つのオーバーアクションについてです。