マンション購入術/マンション購入費用

貯金が少ない!でもマンションが買える!?(2ページ目)

マンションを買うときには頭金や諸費用を手持ち資金から支払わなければなりません。でも、貯金が少ないからといって、すぐにあきらめなくてもいいのです。少ない貯金でマンションを買う方法を考えてみましょう。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド


住宅ローンを増やすのが手っとり早いが

住宅ローンを増やせば返済額も増える
住宅ローンを増やせば返済額も増える
少ない貯金でマンションを買うための、最も手っとり早い方法は住宅ローンの借り入れを増やすことです。今はどこの金融機関でも、価格の9割以上の額を貸してくれます。頭金が400万円しかなくても、残り3600万円を借りれば4000万円のマンションが買えるのです。場合によっては価格の10割に加えて諸費用分まで上乗せで貸してくれるケースもあります。

でも、借入額が増えればそれだけ返済額も増えるので、月々の支払いが重くならざるを得ません。せっかくマンションを買っても、住宅ローンで生活が苦しくなっては本末転倒です。ローン破綻を防ぐために金融機関では年収に占める年間返済額の割合(年収負担率)に基準を設けていますが、年収400万円程度でも年収負担率30%以内などとやや緩めの条件です。年収負担率はできるだけ20%以内、多くても25%以内に収めたいところです。

フラット35でも価格の8割以上借りやすくなる

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して扱うフラット35には、「月収(年収の12分の1)がフラット35単独の毎月返済額の4倍以上」というルールがあります。ところがこの条件が今年10月以降の申し込み分から撤廃となり、フラット35以外の住宅ローンやカードローン、車のローンなども含めたすべての借り入れの年収負担率で審査されることになったのです。その基準は「年収400万円以上で35%以内」と、かなり緩めです。

フラット35では今年4月以降の融資実行分から、融資限度額が価格の9割にアップしています。10月からの年収基準の緩和と併せると、頭金が少なめでもマンションが買いやすくなったといえるでしょう。ただし、借り入れが増えると返済がたいへんになるのは民間ローンもフラット35も同じです。

親からの援助は3500万円まで非課税

少ない貯金で買う最後の手段は、親から援助してもらうことです。たとえ相手が親でもお金をもらうと通常は重い贈与税がかかりますが、住宅資金の援助については相続時精算課税制度の特例が使えます。特例を使えば、3500万円までの親からの援助は贈与税がかからず、相続時に相続税で精算することが可能です。相続税はかなりの資産家でないと課税されないので、標準的な所得であれば実質的に非課税で贈与が受けられます。

親から援助を受けることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。でも相続時に財産の分割をめぐって兄弟でもめるくらいなら、生前にお金をもらっておいたほうがスッキリするという考え方もあります。それに親に援助してもらった分、実家の近くでマンションを買うなどして親孝行すれば、親も子も幸せになれるのではないでしょうか。


このように貯金が少なくてもマンションを買う方法はいくつかあります。頭金が足りないからとすぐにあきらめず、マイホームを手に入れるチャンスを生かしてください。

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