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逆風続く新築マンション市場の見通しは?

首都圏のマンション市場は物件価格の上昇が続く一方、供給は減少傾向となっており、建築基準法改正による着工減の影響も気になります。厳しい環境のなか、今後の供給や価格はどう推移するのでしょうか。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

首都圏のマンション市場は物件価格の上昇が続く一方、供給は減少傾向となっており、建築基準法改正による着工減の影響も気になります。購入者にとって厳しい状況のなか、今後の供給や価格はどう推移するのでしょうか。

供給戸数が9年ぶりに7万戸を割り込む

首都圏ではマンション供給戸数が3年連続ダウン
首都圏ではマンション供給戸数が3年連続ダウン
新築マンション市場がこのところ逆風に見舞われています。不動産経済研究所の調査によると、首都圏では2007年の供給戸数が61,021戸と、前年の74,463戸に比べて18.1%の大幅減となりました。7万戸を割り込んだのは1998年以来9年ぶりです。

供給の急減とは反比例する形で、価格は急上昇しています。07年の首都圏平均価格は4,644万円で、前年比10.6%のアップ。これで5年連続の上昇となり、直近で最も低かった02年と比べると平均価格が671万円、1 m2当たり単価(m2単価)が51.3万円から61.9万円に10.6万円アップしたことになります。



都区部の供給は前年比3割の大幅ダウン

地域別にみると供給戸数の落ち込みが最も大きいのは東京都区部で、07年は16,563戸と前年比30.0%のダウン。04年は39,147戸だったので、3年前と比べると6割近くも減ったことになります。首都圏の他の3県も軒並み前年比2ケタの減少となっていますが、都下だけが唯一同10.3%増えて7,728戸となっています。

都下が増えたのは、前年がその前の年から21.8%の大幅減だったため、反動で増加したといえる状況です。また埼玉県や千葉県は減っていますが、04年と比べると両県とも増えており、都区部ほど大きく落ち込んでいるわけではありません。ようするに都区部の落ち込みが激しいために、首都圏全体の供給戸数がダウンしているのです。

価格面では逆に、都区部の上昇ぶりが突出しています。07年の都区部の平均価格は前年比18.9%アップして6,120万円でした。他の地域も上昇していますが、上昇率はいずれも1割弱です。

今後の見通しは次ページで。

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