とりあえずやってみる――作業興奮とは
目標や目的が明確な時の興奮はすさまじい |
人間の脳は一度何かを始めると、やっているうちにその「側坐核」が徐々に興奮して、集中力と気力が刺激されて「やる気」が高まっていくといった仕組みになっています。
これは一般的に「作業興奮」と言われているのですが、私自身このような経験を常日頃から経験しています。時間がかかりそうな仕事や複雑な仕事などは特に始める前は気分が億劫になって、正直後回しにしたいと思うことがあるのですが、いざやってみると時間がたつのも忘れて没頭していることも珍しくありません。
例えば、机の上を整理することは効率よく仕事を進める上で重要なことですが、忙しいビジネスパーソンにとってはなかなか手をつけられない作業の一つでしょう。しかし、一度思い切って手をつけてしまえば段々と作業に集中し始め、書類を分類、ファイリングしてきれいにする程、没頭していることがあります。
このように「作業興奮」の性質を利用してあれこれ考えずに「まずやってみること」が大切です。能力向上のための勉強も、今やろうか後やろうかを考える前にまず行動に移してしまえばよいのです。
この時に重要なのが「完璧」を追い求めてしまっては長続きしないということです。自分で毎日計画を立てて、その通りに仕事を進めようと決めても、やる気が出ないとき、疲れている時というのはなかなか完璧にこなすのは難しいことです。
疲れている時に根性論で「絶対にやる!」と意気込んでは気疲れしてしまったり、飽きてしまったりして返って効率が悪くなります。緻密で完璧な仕事をするよりも8割が合格点、6割が及第点というように自分に一線をひいて「7割主義」で仕事を進めていくことも、息切れしないようにするためには必要です。
何度もいいますが、最初から最後まで全力疾走で飛ばし続けられる人など存在しません。やる気のアップダウンは当たり前のものと割り切って、やる気の出ない時、忙しい時は、完璧主義を捨てて、とにかくまず手をつけて7割型仕上げることを目標にする。そうすることでモチベーションを高い水準で長期間保てるようになっていくでしょう。
次のページでは、成功イメージについて考えていきましょう。