今回はその中で、高めたいスキルの最上位であった「プレゼンスキル・表現力」(48.2%)にフォーカスをあて、その高め方について考えてみたいと思います。
1.プレゼンテーションの目的とは
いかに時間を掛けたかが最終的には勝負を左右する |
人間の脳には記憶の整理棚があり、意味の括りによる階層構造になっています。情報を意味別に分類したり、意味の構造を持たせて提示することは脳の構造からも聞き手にとって理解しやすいことがわかります。
MECE(ミッシー)という、「相互にダブりなく、全体としてモレがない」という枠組みは論理的思考をする上で代表的な考え方です。例えば、男性と女性、禁煙者と喫煙者、ということです。
完全な形のMECEではありませんが、実用上のMECEの例として、戦略を考える際のフレームワークで代表的な3C、SWOTなどもそうです。3CやSWOTを知らない方がいれば、これを機会に覚えておくとよいでしょう。
2.文章表現力の高め方
提案書を作成する際、いかに読み手にとってわかりやすいかが一番重要なポイントです。タイトルは注意を喚起するには絶好の材料と位置付けて下さい。よって、全体の内容をコンパクトに表現することが肝です。タイトルといえども、十分吟味してつける必要があります。その次は目次です。起承転結など、組み立てをしっかり考えることが重要です。
提案書構成の一例ですが、
- ご提案の骨子
- 貴社を取り巻く環境(外部環境と内部環境の整理)
- 現在の課題点とニーズの整理
- 解決策の提案
- それを実現する商品構成
- 費用と効果(定性効果と定量効果)
- サポート・アフターサービス体制
- 今後のスケジュール案
提案書にはお客様が社内で使われる独自の言葉やキーワードをふんだんに取り込むことで身近なものになります。汎用的な表現に終始することなく、一社一様のオーダーメイド感があるので、熱心さも伝わります。
作られた提案書はお客様に提示する前に、社内でレビューを受けましょう。これは品質管理そのものです。わかりづらい点がないかどうか、MECEになっているかどうかのチェックは最低限必要でしょう。
また、提案書を書く前提として、誰に対してのものか、フォーカスをあてましょう。経営者であれば俯瞰的なもの、管理者であれば全体と部分の両方が必要です。担当者であれば微視的なものが中心となります。
つまり、読み手の立場により、目線が違うということを汲み取り、表現する内容と方法を変えることがわかりやすさに繋がり、契約への成功確率が高くなるのです。
次のページでは、口頭表現力について考えていきます。