資格・留学で年収アップ!
―――資格取得や留学は役立ちますか?備海:実は有効なんです。まずは「英語」ができれば外資系企業に転職できます。
国内企業で年収450万円だった女性が留学先で英語をマスター、帰国して外資系企業に年収600万円で転職した例があります。
―――MBA(経営学修士)取得で年収アップしますか?
■年収600万円UP!? 若手ほどお薦めできるMBA取得(※年収はガイド調べ) |
―――それは何ですか?
備海:2点あって1つはMBA取得には「多額のコスト」が掛かること。もう1つは、MBA取得の最大の受け皿で希望者も多い「投資銀行の採用状況」です。採用するときは必死で採用しますが、景気が悪くなると全く採用しません。その時期に卒業が重なったら不運ですね。
―――他に年収アップに繋がる資格は?
備海:経理財務の実務がある人にはUSCPA(米国公認会計士)はお薦めです。弁護士や公認会計士など難易度の高い資格を持つ人のニーズもまれにあります。ただ気をつけてほしいのは、試験の難易度と市場価値の高さは関係ないんです。
「難しい資格」が「稼げる資格」ではない
▲「資格は時間とお金の投資。慎重に判断してほしい」 |
備海:例えば、社会保険労務士は合格率10%以下の難易度の高い資格です。ところが人事労務は実務経験者のニーズはあっても、実務経験のない資格保有者にはほとんどニーズがありません。
むしろ宅建(宅地建物取引主任者)などは、この資格がないと不動産業ができませんから、結構ほしいというニーズがありますね。
―――そういうニーズの動向は、一般になかなか知られていない。
備海:かなり難しいことだと思います。不動産鑑定士という資格がありますが、個人経営の鑑定士事務所だと年収300万円ぐらいなんです。
ところが一般企業に入るとそこそこ評価される。不動産金融のマーケットが伸びているのが背景にありますが、それも3年後どうなっているのかと聞かれても予想がつきません。
―――先を読みながら資格で稼ぐのは難しいということか。
備海:特に資格を取ろうとするのは、異業種の人が多いですから、現場でどれほど有効か判定できないでしょう。それなりに時間とお金を投資しますから、慎重に判断してほしい。
ただ、試験勉強を通じて「知識」が得られるのは間違いありません。それを主目的にすれば資格も有効ではないでしょうか。
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