土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

空室が埋まらない理由、それはあなたです!(3ページ目)

賃貸住宅経営で頭の痛い問題は家賃滞納、次いで空室となっています。理由を考えると、市場環境・賃料などと思いがちですが、場合によっては、オーナーさんそのものの考え違いもあります。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

「丸投げ大家さん」の悲惨なお部屋

クモの巣はありませんか?
以上、Bさんの失敗例を見てきました。「でも、Bさんは特別な人でしょう?」。いえいえ、そんなことはありません。少なからずBさんと似た大家さん、ほかにもたくさんいらっしゃるのです。

Bさんの主張はこうでした。「空室を埋めるのは不動産会社の仕事だ。大家に負担を求めるべきではない。仲介手数料を得る不動産会社こそが、全ての努力をすべきだ!」。

いま、一瞬、「そりゃそうだよな」、と心によぎった大家さん、いませんか?
思い当たるあなた。あなたの抱えている空室を最近見に行ったことがありますか?たとえば、こんなことは起きてはいないでしょうか?
  • 玄関周りは草ボウボウ
  • ポストには投げ込みチラシが詰まっている
  • ドアを開いても内見者用のスリッパがない
  • なのに、床はホコリだらけ
  • キッチン周りにはサビ、油汚れ
  • 窓辺には虫の死骸が転がっている
  • お風呂を開けばやはり虫の死骸、蜘蛛の巣
  • 敷地には壊れた自転車と埃のかぶった車のタイヤが数本
    このタイヤ誰のですか? え!大家さんの…!?
大家さん、あなたはこんなアパートに暮らしたいと思いますか?

入居希望者がご夫婦の場合、どんなに旦那さんの通勤に便利でも、こんな部屋では、まず、女性である奥様が首を縦には振りません。なぜなら、住まいの快適さは女性にとって大きな関心事項。ご夫婦の場合、家に居る時間の多くなりがちな奥様が、大抵は部屋選びの決定権を握っています。

こうしたことは、Bさんのような多くの「物件を自主管理し、客付けのみを不動産会社へ依頼している」大家さんに起こりがちです。「よろしくたのむ」と、曖昧に不動産会社へ丸投げしても、彼らの収入は基本、一時的な仲介手数料のみ。物件管理まで請け負うわけでありません。別途、「仲介手数料の他に管理手数料も払っているよ」というのならばいざ知らず、建物の清掃、ましてや美化まで任せたつもりでいると、知らずに大きな間違いを犯すことになるのです。

また、複数の不動産会社を股にかけて客付けを依頼する方法……。入居者がたくさんいた、古き良き時代では通用したのかもしれませんが、いまは信頼できるパートナーを選んで、「君だけだよ」というスタイルの方が、より誠実な扱いを受ける傾向にあります。

空室が埋まらない……。その理由、大家さんであるあなたに無いか、まずは探してみるべきでしょう。
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