マンション物件選びのポイント/エコマンション

省エネ性の高いマンション3つのポイント(2ページ目)

省エネ性の高いマンションなら、光熱費を抑えながら夏は涼しく、冬暖かく、快適に1年を過ごせます。そこで、住まいの省エネ性を左右する3つのポイントと、住宅性能表示を使って一目で見極める方法をお伝えします。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

同じマンションでも住戸の位置によって省エネ性に差がある

同じマンションの中でも、住戸のある階や位置によって省エネ性の高い住戸とそうでない住戸があります。下図をご覧ください。

赤い部分の住戸(中住戸)の省エネ性は高くなる

赤い部分の住戸(中住戸)の省エネ性は高くなる

 

この図のように、上下・左右が住戸に囲まれた中住戸(赤い色の部分)は省エネ性が高くなります。上下左右の住戸がいわば断熱材の代わりとなり、該当住戸を包み込んでいるからです。ただし接する住戸が空家で人が住んでいない場合はその効果は見込めません。

中住戸以外は外気に面する部分に注意

北側に面した押入れ、クローゼットなどは結露が発生しやすい危険地帯

北側に面した押入れ、クローゼットなどは結露が発生しやすい危険地帯

中住戸以外の最上階、最下階、妻側住戸は、壁が外気に触れる部分が多く、中住戸に比べて省エネルギー効率は落ちます。

最上階は屋根から太陽が照りつけ、最下階は床下から冷気が上がり、妻側住戸は3方の外壁からエネルギーが出入りします。一般的にマンションで省エネルギー性を検討するとき、このように熱効率の悪い位置の住戸に対しては手厚い断熱対策をとるようにしています。

そのように十分な断熱対策を取っていても、結露が発生しかびが生えるというアクシデントがあることもあります。発生しやすい場所は、熱橋が生じやすい最下階または妻側の、外気に面した壁押入れ付近と考えて良いでしょう。

一目でわかる住まいの省エネ性

前のページで省エネマンション3つのチェックポイントを書きましたが、建物が省エネ仕様であるかどうかは一般の人には判断が難しいところだと思います。そこで判断材料のひとつとしてあげられるのが「住宅性能表示制度」です。この制度を利用したマンションでは「温熱等級」という項目でどの程度の省エネ性を持ったマンションかわかるようになっています。

【住宅性能表示制度の関連記事】住宅性能評価書の見方(3)省エネ、高齢者、防犯

温熱等級には1~4の等級があり、数字が大きいほうが性能が高いことを示します。それぞれの等級の内容は次の通りです。

・等級1:その他
・等級2:エネルギーの小さな削減のための対策をとっているレベル
・等級3:エネルギーの一定程度の削減のための対策をとっているレベル
・等級4:エネルギーの大きな削減のための対策をとっているレベル

現在の新築マンションで住宅性能表示を利用した大手デベロッパーの物件ではほとんどが等級4以上となっています。等級4を取るためには先ほど述べた諸条件ごとに細かいチェックが行われており、窓ガラスは複層ガラス以上、熱橋部分の断熱も折り返しが施され、省エネ仕様であることを証明しています。

快適な暮らしの先に地球環境保護がある

快適な暮らしをしていれば自ずと地球環境保護につながっていく

快適な暮らしをしていれば自ずと地球環境保護につながっていく

このように省エネ効果の高いマンションに住むことは、光熱費の負担が少なくなり、快適な暮らしができるという大きなメリットがあります。

その上で、石油や天然ガスなどの化石燃料により生み出されるエネルギーの使用が減るため、地球温暖化の原因といわれる温室効果ガスの発生を押さえ、地球環境を守ることにつながります。

これからマンションを購入する方はぜひこの様な視点を持ち、購入する際には建物自体の省エネ性をきちんと確認するようにしてください。

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