事例2:外から聞こえる人の声・車の音
外から入ってくる騒音には、車の音、人のしゃべり声などがあります。 |
ベランダの有無や構造、室内家具の配置などでも遮音性は変化します。遮音性が高い窓であるかどうかも大きく関わってきますが、窓自体の取り換えは大掛かりになってしまうので、今回はそれ以外の対処方法を考えてみましょう。
隙間テープの例。ホームセンターやインターネット通販で購入でき、簡単に設置できる。 |
窓枠の隙間
性能の良い窓でも窓枠と窓の間に隙間があるとそこから音が入ってきます。そのような場合はホームセンターやインターネット通販で購入可能な隙間テープを利用し、隙間を埋めましょう。隙間テープは数百円からあり、ご自身で簡単に取り付けできます。内窓をつけて二重サッシにする
やや大がかりかもしれませんが、現在ある窓はそのままで、内側にもう一枚窓をつけ、二重サッシにする方法があります。もともとついている窓の遮音性が低くても、二重にすることで遮音性がぐんと高まります。二重サッシは防音リフォームでよく使われる手段で、工事は簡単なわりに防音の効果が見込め、窓面の断熱性も高まり一石二鳥です。分譲マンションの窓は、専用使用権はありますが専有部分とは異なるため、基本的にリフォームできません。しかし、その内側に窓をつけることは、専有部分のリフォームになるため基本的に可能な工事になります。
遮音カーテン
手軽にできる遮音対策としては、窓に遮音性のあるカーテンをつける方法があります。遮音性のあるカーテンは、生地または裏面に特殊加工を施したもの、生地に樹脂コーティングしたものなどがあり、未加工品より遮音性能が期待できます。遮音カーテンの例を載せます。遮音カーテンの例 【例1】生地に樹脂コーティングを施し、遮音性能が優れています。高音になるほど高い遮音性を発揮。写真提供:リリカラ 遮音カーテンFD-58434 【例2】生地の裏面にアクリル樹脂をコーティング。遮光性と遮音性をもつカーテン。写真提供:東リ 遮音カーテンKTA5556 【例3】生地裏面に樹脂コーティングを施すことで、一般のカーテンに比べ比較的高い遮音効果があります。室内から室外への音も緩和するのでペットを飼う方にもお勧め。写真提供:SINCOL アンノイズ TA3333 【例4】特殊配合のラミネート加工により高い遮音性と柔らかい風合いを両立しました。写真提供:株式会社スミノエ サウンドガードII |
裏付け用防音カーテンの例(写真提供:有限会社スターライト) |
裏付用防音カーテン
現在使用しているカーテンの裏側に、騒音をカットする裏付用防音カーテンを取り付ける方法があります。こちらは、お気に入りのカーテンはそのまま使用できるため買い替えずにすみ、裏側にこの防音カーテンをひっかけるだけで設置できるので大変簡単です。
布製品には音を吸収する性質があるため、壁のビニールクロスを布クロスにする、家具も革製品よりも布製品を使用する、壁や天井に布を張り巡らせてみるといった対策も防音効果が期待できます。
音がどのくらい響くのか、実際に住んでみないとわからないこともたくさんあります。冒頭でも述べましたが、音の問題は感じ方に個人差もあり、決まった解決策はありません。ですから住まいの遮音に関しては、お互いに迷惑をかけないよう気をつけて生活することや、出来るだけの対策を取ってみるという気持ちが大切なのだと思います。
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