マンション物件選びのポイント/マンションの性能・耐久性

家庭内事故から家族を守る!自宅の安全対策(3ページ目)

実は、安全と思われている住まいの中でけがをする幼児やお年寄りは多く、居間、台所、階段、浴室などで事故が発生しています。住まいの中の危険箇所と事故の原因を知り、それを回避するための対策を取っておきましょう(初出/2008年11月、改訂/2014年6月)。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

3位:床・畳・敷居の事故

洋室と和室の境目に段差がないバリアフリー仕様の家も増えてきました。
洋室と和室の境目に段差がないバリアフリー仕様の家も増えてきました。
床・畳・敷居が原因で発生する事故は階段、浴室(風呂場・浴槽・シャワー)に次いで3番目に多く報告されています。その多くが転倒によるものです。

事故にあった人は65歳以上の高齢者が最も多く占めています。乳幼児では件数のわりに軽症で済むことが多いのですが、高齢者は骨折などの大けがにつながることが多いので注意が必要です。事故に至る大きな原因は滑った・つまづいた・よろめいてバランスを崩した、が多くなっています。

滑るケースでは、床が濡れていた・ワックスで磨いていた・置いてあった新聞紙にのって滑った、など。つまづいたものの半数は「敷居」が原因でした。

■床・敷居・畳で起こる事故の主なパターン:
・ワックスがけをしたばかりで滑った
・床が濡れていて滑った
・フローリングで滑った
・スリッパ、靴下をはいていて滑った
・新聞紙を踏んで滑った、マットを踏んで滑った
・布団につまずいた、カーペットに引っかかった
・敷居の段差でつまづいた

事故の解決策:段差の解消とすべらない環境づくり

段差のある部分の照明が切れていないかチェックして

段差のある部分の照明が切れていないかチェックして

ここで注目したいのはカーペットや敷居でのつまづきです。すり足になりがちな高齢者は1センチの段差でもつまづく可能性があります。住宅内はなるべく段差のないバリアフリー仕様であることが望まれます。

現在のお住まいで段差がある部分については、その部分にすりつけ材(断面が三角形の当て材)を設置する、色を分けて段差があることがはっきり分かるようにする、その部分に照明をつけて段差がはっきり見やすくする、といった対処が考えられます。また、床には転倒などの原因となるカーペットや新聞を置かないことも大切です。

今回は住宅設備が原因で起こる家庭内事故のうち、最も多く報告されている事故の上位3つを取り上げ、事故の例と解決策をまとめました。残念ながら安全であるはずの家庭内で多くの事故が起こっていることは事実です。日頃から危険を少なくするよう心掛けることが大切です。

【関連記事】
子どもや高齢者に安全な階段の作り方
ヒートショック!? 冬場のお風呂に要注意
子どもを脅す住まいの3つの危険エリア
大掃除にチェック!室内の危険エリア
バリアフリーは本当に安全?
全ての人が使いやすい建物とは?

Copyright(c)2014 住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所 All rights reserved.

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます