最高額住戸は市場に出回らないことも多い。
タワーマンションをプランニングするときにデベロッパー側が最も神経を使うことのひとつは「上層階の売れ行き」だ。いくら下層や中層に人気を博そうと、上層が在庫になると完売までの時間がかかり、大幅な値引きリスクを負ってしまう。数億円もする上層階を買える人はそうはいないため、彼らからそっぽを向かれると簡単には売れなくなるからだ。

従って、エントランスやゲストルームといった共用施設の設え、管理サービス面でのホスピタリティは、(おそらく目が肥えているであろう)最上階を買いそうな人向けにグレードを意識し、最高のスタッフ陣(デザイナーや管理会社など)を用意し万全を期する。

そのようにして出来上がるタワーマンションの共用部やサービス。タワーの場合、販売価格は概ね3000万台~2、3億位までの幅がでるが、当然、マンション居住者全員が共用部やサービスを利用することができる。板状型マンションに比べると一番の違いはそこにある。

「眺め」という価値

城南方面から見る新宿超高層群
高層階では太陽に照らされた街並みは北方向に眺めるほうが綺麗に見える。南方向はいわゆる「逆光」になってしまうからだ
次に知っておきたいことは「眺望の評価」。通常マンションは立地の利便性と建物グレードの2点が価格に大きく影響するが、タワーはそれに「眺望」が加わる。東西南北の向きよりも「何が見えるか」が重要になってくる。

ちなみにこれまでの実績によれば、富士山⇒レインボーブリッジ⇒東京タワーの順で高く評価される。当然、評価額(プレミア分)も異なる。また眺望の魅力をより引き出すために、マンションの開口部は上下左右に大きく広がった。工法の進歩だ。さらにその良い副作用として間取りの可変性やPS(パイプスペース)のメンテナンス向上にまで発展し、少なからずマンションの居住性、可変性を一躍進化させた。


次ページで、タワーの特徴を活かした「通な見方」を紹介しよう。