高級マンション/高級マンショントレンド

早くもマンション価格に値下がりの兆し?

不動産経済研究所発表の「首都圏マンション市場動向」によれば7月の初月契約率は74.1%、前年同月よりも5.9ポイントダウンした。マンションの売れ行きは鈍ってきたのだろうか?

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

新築マンションの二極化が鮮明に

都心のマンションも二極化に……
不動産経済研究所が発表した「首都圏マンション市場動向」によれば、7月の初月契約率は74.1%にとどまった。前月は同69.1%と7割を下回っていたことからすれば、昨年と比較して“マンションの売れ行きに翳りが出始めた”といえるのではないだろうか。

7月の即日完売物件を見てみよう。「プラウドタワー千代田富士見(306戸、平均1億651万円)」や「I-Linkタウンいちかわザタワーズウエストプレミアレジデンス1期(300戸、平均6275万円)など300戸以上の物件スケールを筆頭に、即完物件は全部で22物件1267戸となった。

しかし平均すると1物件あたりの販売戸数は57.6戸の換算になる。ということは、上記のような大型を除けば50戸を下回る現場も多々あることが予想され「完売できる戸数に絞って売り出している」現状が垣間見えるようだ。

一部の人気物件が成約数値を牽引

また20階以上の超高層物件では契約率が91.9%を記録(19物件1755戸)。契約率の高さもさることながら、その数(19物件1755戸)、1物件あたり平均92.4戸は、依然タワー人気が衰えていないことを実証しているといえるだろう。

つまり駅前再開発などタワーマンションを含む大型プロジェクトが新築マンションの市場を牽引し、全体の平均値をなんとか75%前後のラインにとどめていると捉えるのが実態に近い認識ではないだろうか。逆にそれ以外の低迷ぶりがいつ表面化してきてもおかしくない市況、と言い換えることもできる。

次のページでは、気になる価格の動向をチェック。
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