タワーマンションは市場をリードし続けてきた
分譲マンションの大量供給が始まって約20年。マーケット好不調に構わず、常に高い成約率をキープしてきたのが都心のタワーマンションである。文字通り市場を牽引してきた存在だといって良いだろう。不動産購入の大きな決め手となる利便性。再開発に伴い、景観を優雅に楽しめる高層階からの眺め。そして大型物件ならではの様々な共有施設などが顧客からの高い支持を得た。
晩婚化によるシングルやシニアカップルの増加も大きな需要群となった。住戸ユニットのバリエーションが幅広いタワーマンションは、多様な世帯を呼び込まなければならないが、世帯の少人数化という時代の流れも大きかったといえよう。
タワーマンションにデメリットはない?
ご存知の通り、分譲マンションは青田売りが主流。人気のマンションともなれば、早めの決断が必要だ。つまりタワー物件は、その肝心の眺めを見ることなく、想像だけで検討しなければならない。また、タワーマンションは真実味のわからない様々な噂が飛び交った。子供の情操教育上好ましくないとか、出不精になるなどと業界の内外問わずネガティブな情報が絶えなかった。
しかしそんな噂をもろともせず、都心のタワーマンションに限っては「出せば売れる」状態が本当に長く続いている。駅近や再開発エリア内にあることが多いことも関係しているのだろうが、何より実際の暮らしが快適であることがこの根強い人気を生んでいる証拠ではないだろうか。
とはいえ、不満が全くないわけではないはずだ。次は、タワーマンションの予想外のデメリットを確認してみたい。
タワーマンションのデメリット1:実際の眺望
ここでは代表的な入居者の不満点を2つほど挙げてみよう。まず1点目は、眺望に魅かれて高層階を選んだのに、それが実現していないという不満。これは、中層のマンションにありがちな隣の建物で眺めが邪魔されるというものではない。窓際やバルコニーからは確かにすばらしい眺めが見られるのだが、リビングに座った状態では空しか目に入らない、ということ。
確かに大半の人は、ゆっくりとしたい休日などはリビングのソファやダイニングチェアに腰かけていることが多いはず。肝心のその瞬間(体勢で)見たいものが見えないというわけだ。
眺望を価値として購入するのであれば、どの位置から何が見えるかは自分でしっかりチェックしておきたいところ。よく広告で、上空から高層階住戸越しに眺望写真を合成させたパースを見かけるが、それは現実のアングルではない。イメージと実際の整理は冷静にしておこう。
タワーマンションのデメリット2:賃貸化
2点目の不満は賃貸化。分譲での人気が実証しているように、タワーマンションは資産性が高いと思って購入している人が多いようだ。駅に近く、再開発ともなれば昨今の地価変動を見るにつけ、将来的な資産性に期待が膨らむ。住んでよし、貸してもよし、という考えから所有する傾向があるようだ。
ところが、実際に住んでいるオーナーから見れば、(物件にもよるが)賃貸化される住戸が予想以上に多いケースもあるらしく、そしてその比率の高いフロアの住戸は売買市場に出回る傾向が高くなり、金融市場の変動に強く影響を受けると思っているフシがあるようだ。
住宅というからには、その価値は住み心地で評価されたいもの。ある程度の経済事情に左右されることは避けられないが、それとは全く関係のないところで価値が変動するのはいかがなものか。賃貸や転売を一定期間禁止する条件で分譲されたマンションがあったが、過去を含めても市場シェアで見れば極端に少ない。
【参考サイト】
タワーマンションの「長周期地震動」対策
タワーマンションの優れた間取り15選
【フェイスブック】
高級マンション
【関連記事】
- タワーマンションを買っていい人 買わない方がいい人
- 資産価値が落ちないマンションとは?駅近再開発の魅力
- 2018年グッドデザイン賞 受賞マンションはコレ
- 中古マンションと新築マンションどっちがお買い得?
- マンションの1階は買いか?メリットとデメリット
Copyright(C)2006 MH3 Inc. All rights reserved.