今回は、中古マンションを売買する際における、管理費・修繕積立金などの滞納分の取り扱いについてご質問をいただきました。



question
中古マンションの購入を検討していますが、ある本に「売主が管理費や修繕積立金を滞納していると、その支払い義務が買主に引き継がれるので注意しなければならない」と書いてありました。多額の滞納があると資金計画も狂うと思うのですが、これは本当なんでしょうか。また、実際にどのような点に注意すればよいのでしょうか。
(千葉県船橋市 山田さん 30代 女性)



answer
中古マンションの売主が管理費修繕積立金専用使用料などを滞納している場合において、これを譲り受けた買主がその滞納分の支払い義務を引き継ぎ、管理組合に納めなければならないのは本当です。

売主が、お金に困ってマンションを売却するような事情があれば、滞納累積額もそれなりの高額になっていることがあり、その買主が思わぬ損害を被ることにもなりかねません。

また、売買のときだけでなく相続や贈与などによる取得であっても同様です。

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管理費などの滞納分があっても、通常の売買取引において不動産業者がきちんと対処すれば心配は無用

しかし、現実問題として考えれば、通常の売買であるかぎり、滞納についてそれほど心配する必要はないでしょう。

というのも、売買契約を媒介する不動産業者は、まず契約締結前に管理会社もしくは自主管理のマンションであれば会計担当者に、滞納の有無と金額を確認します。

もちろん、その内容は重要事項説明において宅地建物取引士から細かく説明されますが、それだけではなく、滞納があった場合には決済のときなどに、売買代金の中で清算するようにしています。

具体的には、受け取った手付金のなかから売主が先に支払いを済ませておくケース、決済のときに売主が受け取るべき売買代金から差し引いてその場で管理会社などへ振り込むケース、あるいはいったん媒介業者が預かって決済終了後すぐに振り込むケースなどがあります。

また、事前に買主が承知したうえで、滞納額相当分を売買代金から差し引く(売買契約金額そのものを引き下げたり、滞納額相当分を残代金支払い額から控除したりする)ことにより、買主側で処理をするケースもあるでしょう。

いずれにせよ、管理費などの滞納によって買主に予期せぬ負担が生じることがないよう、媒介業者が段取りをつけているわけです。

また、売主の住宅ローンなどに対する借入れ残額が大きく、売買代金の全額を金融機関に回収されてしまうような場合でも、管理費などの滞納額相当分については回収額から差し引く(金融機関が手をつけない)ことになっています。

それでは、管理費などの滞納については買主がまったく注意しなくても大丈夫かというと、決してそうではありません。

管理費などの滞納がある場合には、買主の立場から、それをどのように処理するのか事前によく確認するとともに、「売主の責任で滞納を解消する」といった旨の特約をできるかぎり売買契約書の中へ盛り込むように要求してください。それによって売買契約上の売主の義務を一層強めることができます。

また、重要事項説明の中での「滞納の有無」が、いつの時点で確認されたものなのか、その日付にも気をつけなければなりません。それがあまりにも以前の日付であれば、状況が異なっている可能性があるとともに、媒介業者の姿勢にも問題がありそうです。

さらに、滞納額相当分を管理会社などへ振り込ませるのは、残代金支払い日以前(白紙解除などにより手付金を返還する可能性がなくなってから残代金支払い日までの間)か、もしくは残代金支払いと同時にその場で行なうことが望ましいでしょう。

「残代金支払いが終わった後すみやかに」などという約束のままで別れると、滞納分が確実に振り込まれるという保証を得られません。

なお、媒介業者を通さずに個人同士で売買を行おうとする場合には、このような処理の段取りを見落とすことがあるかもしれません。滞納などについて十分な注意を払うとともに、できるかぎり専門家によるアドバイスやチェックを受けるべきでしょう。


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