風致地区=広い敷地?

風致地区内では建ぺい率、建築物の高さ、外壁後退、建築物の色彩・形態・意匠、植栽などについて、建築基準法などによる通常の制限よりも厳しい規定が適用されます。また、単に「風致地区」として規制内容を一本化している地方公共団体もあれば、第1種風致地区・第2種風致地区・第3種風致地区・第4種風致地区のように種別を分けている地方公共団体もあります。一般的な傾向として、種別が分かれている地方公共団体の「第1種風致地区」はかなり厳しい内容となっているようです。

まず建ぺい率については、20%から40%の範囲内で定められます。建ぺい率が20%であれば、30坪の敷地でも建坪が6坪までしか建てられないのですから、かなりの狭小住宅にならざるを得ません。必然的に土地の細分化はされず、ある程度まとまった敷地が残ることになりますね。また、地方公共団体によっては、(建ぺい率20%とのセットで)容積率40%などの規定を設けている例もあります。

なお、風致地区内では建築基準法による建ぺい率の緩和規定(角地緩和など)は適用されない例が多いようです。

建築物の高さについては、8mから15mの範囲内で上限が定められます。

外壁後退は、敷地境界線から建築物の外壁(またはこれに代わる柱の面)までの “最低限” の距離(空地)に関するもので、1mから3mまでの範囲内で定められます。たいていは道路境界線からの距離と、隣地境界線からの距離とが別々に定められ、道路境界線側の外壁後退のほうが大きな数値となっています。

これらをふまえて、風致地区における厳しい規制の例を図示すると次のようになります。

風致地区の規制例
(規制例)建ぺい率20%、外壁後退:道路境界から3m隣地境界から2m

隣地境界線からの外壁後退距離が2mだとすれば、隣の家との間は少なくとも4mが保たれることになり、かなりゆったりとした感じになります。都市部によくあるような「隣の家に手が届きそうな窓」は、風致地区ならほとんどみられません。

そのほか、建築物の色彩などについても規制を受ける(その判断基準は難しいのですが)わけですから、某漫画家の自宅建築をめぐって取り沙汰されたような騒動は、風致地区内であれば起きなかったことでしょうね。

それはともかくとして、風致地区内の敷地はある程度の広さがなければ、思うような大きさの住宅が建てられないことも少なくありません。風致地区に指定された土地の購入を検討する際には、それぞれの地方公共団体によって異なる規制内容をよく確認し、建築計画に支障はないかなど、あらかじめ建築士にチェックをしてもらうことも必要です。


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