「パン・オ・セーグル」
キュッとしまった感じであるにもかかわらず、その保水力は極めて高く、ナイフを入れれば生地がネチッとへばりつきます。見るからにしっとりとしていますね。クラストはしっかり厚め。濃いめの焼き色がとても魅力的で、惚れ惚れするほどのルックス。味覚よりも先に視覚で楽しむことができます。
肝心の味わいですが、まず口に含んでしばらくは比較的穏やかな印象。と思っているうちに、中盤くらいからクラムに潜む酢こんぶのような酸味が出てきて、そのあとをカラメルのような苦みと甘く焦げた香り(クラストの)が追いかけます。
酸味がとてもやわらかいので、ライ麦特有のクセにもまるみが加わり、とても食べやすい仕上がりです。それにもかかわらず、ライ麦の清々しい香りは顕在。食べやすさと力強い香りが共存しているところが素晴らしいですね。薄めのスライスが◎。