焼物 |
今が旬の秋刀魚と、茸(キノコ)、それに酒盗の風味が、蓋を開けると拡がってくるほどの薫り高さで、この薫りだけでも垂涎物! ちなみに、酒盗とは鰹の腸の塩辛のこと。これを切れ目を入れた秋刀魚に、約30分ほど漬け込み、それから表面(皮目)を炙る。茸はソテーし、それらを一緒に土鍋で蒸し焼きにした料理とのこと。
秋刀魚の質の高さはもちろん、茸だけでも茸は「舞茸」「椎茸」「しめじ」「エリンギ」と4種類も入っており、これらが酒盗の風味と合わさり、日本酒が止まらない味わい! しかも、添えられた「ちり酢」は織部の取り皿、というセンスの良さ。私が食べてきた限り、秋刀魚を使った料理の中では、間違いなく最高傑作です。一般的な料理記事で「逸品」という言葉が気安く使われていますが、こういう傑作料理にこそ使うべき言葉でしょう。まさに「逸品」という言葉に相応しい出来映え。
・焚き合わせ
焚き合わせ |
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