町家で食べる創作中華

一之舟入。
米俵や菰樽を積んでいる「高瀬船」は今も現存しています。
京都の木屋町通と言えば、今でこそ若者向けの店が多い歓楽街となっていますが、通りに沿って流れる高瀬川は江戸時代初期の豪商角倉了以が、大坂方面から京都の中心部に物資を運び入れる為に鴨川から水を引いて開いた運河。

その川べりの桜や柳を愛でながら北に向かうと、御池通を越えたあたりで急に人通りも少なくなり、ゆったりと風情ある空気が流れるようになります。

外観。
町家を改造した趣のある外観。
さらにしばらく歩くと、風にそよぐ柳の向こうに米俵や菰樽を積んだ「高瀬船」が一艘ひっそりと係留されているのが目に入り、思わず足が止まります。この左手にある船だまりが「一之船入」。そしてこの「船入」に沿って、築90年の町家長屋が時間が止まったかのように、その姿を留めています。この京情緒溢れる佇まいに惚れ込んだ横浜出身の魏オーナーシェフが10年前に開店され、今や料理だけを取っても、うるさ方を唸らせる店となったのが「創作料理 一之船入」です。

風情ある店内

内装1。 内装2。
1階の雰囲気 2階の相部屋席。
元はお茶屋だった町家を風情を損なわないように改装され、一階は相部屋、2階はそれぞれに雰囲気の異なる個室と相部屋から成り、船だまり側の部屋からは、しっとりと水面を見下ろせます。
内装1。 内装2。
2階の個室 窓からは船だまりが眺められます。

厳選食材で織り成す料理

ピーナッツ。
最初に供されるピーナッツ。
料理のコンセプトが「医食同源」だけあり、使われている野菜は料理長ご自身が無農薬で栽培されているものを使用するなど、厳選された素材を活かした創作中華料理の数々は、唯一無二の魅力。

料理に合わせる酒も、紹興酒はもちろん、日本酒も遊穂(無濾過生原酒)や花垣(七右衛門)など充実の品揃えが目を惹きます。

ではまず、コース料理の御紹介から。
・「四種冷菜の盛り合わせ」と「フカヒレの姿醤油煮込み」
冷菜。 フカヒレ煮込み。
冷菜盛り合わせ フカヒレの醤油煮込み
冷菜盛り合わせは、どれを食べても素材の質の高さが伝わります。味付けは京都らしく上品かつ繊細で、紹興酒だけでなく、日本酒とも合いそう。

二品目のフカヒレは、醤油ベースのタレが絶妙な逸品。こちらは紹興酒にピッタリで、どんどん酒が進みます。

次ページでは、上海蟹、コース後半の料理を御紹介します