ゲイもノンケも愛せるスゴ本『じりラブ』(2ページ目)

「漫画の王国」集英社から発売

巻頭16ページはフルカラー、各章の間にはエッセイ、そしてページの隅にはとってもカワイイ「パラパラ漫画」もついています。ただの単行本には終わらないバラエティ感とサービス度です。
周りの人を笑わせ、楽しませるサービス精神の旺盛さ、でもちゃんといろんなことを押さえてるし、決して手を抜かない…それは歌川さん本人の性格そのもの。『じりラブ』は彼の魅力が、思いが全部詰まった結晶なのです。

などと書いてきましたが、何も考えずに読んでもふつうにゲラゲラ笑って「ああおもしろかった」とすっきり、楽しめます（ギャグ漫画としても秀逸!!）
世の中には「どちらかというと美女ではない女性漫画家によるちょっと自虐的な爆笑エッセイ漫画」的なジャンルの作品がたくさんありますが、そうした売れ筋エッセイ漫画の棚に置いてみても全く遜色のないクオリティがあると思います。

これが集英社から発売されたことがさらにスゴい！
だってあの『ジャンプ』や『りぼん』や『マーガレット』の集英社ですよ？ 『Dr.スランプ』や『キン肉マン』や『ベルばら』や『有閑倶楽部』などと同じ出版社からゲイ漫画が発売されたなんて…歴史的快挙じゃないでしょうか？
　
ベストセラー・ウェブコミックのはしりとなった『きょうの猫村さん』は、1巻2巻合わせて90万部を売り上げたそうです。『じりラブ』もぜひ、そんなベストセラーになってほしいと思います。