ぱたさんの結婚体験記。移民局通いは圧巻
『レポート 国際結婚 笑いと涙のグリーンカード取得』 パターソン林屋晶子 著 ¥552(税別) 光文社 知恵の森文庫 |
「笑いと涙のグリーンカード取得」というサブタイトルから分かるように、ぱたさんのご主人はアメリカ人。本書では、お2人の出会い、婚約、ビザをとるための移民局通い、結婚式、グリーンカード(永住権)取得、結婚後のアメリカ生活などについて、いずれもユーモアたっぷりに楽しく書かれています(実際はかなりご苦労があったのですが……)。
圧巻は、なんといっても移民局でのやり取りのくだりでしょう。
「あ~、分かる分かる! 私たちも経験ある!」って、そんな感じでした。なんか、カナダとアメリカって、お役所の人の対応とか態度とか、似てるんですよね。友人も移民ビザ申請の書類を無くされたし……。私たちだって何度キレそうになったことか……(最近は、日本のお役所もさほど変わりないということが、だんだん分かってきましたが)。
1つ1つの手続きの違いがよく分かる
本書を読むと、「結婚の手続き」と「ビザを取る手続き」と「永住権を取る手続き」は全部別物、ということがよーく分かります。流れとしてつながっている部分もありますが、1つの手続きを済ませたからといって、後のものが自動的に取れるとか簡単に取れるといった事実は一切ありません。そこが国際結婚の手続きの面倒くさいところなんですよね。私も散々記事で書いていますが……。
近い将来アメリカ人と結婚するため、そろそろ手続きを始めようと考えている人には、たいへん参考になる本だと思います。特に、手続きに関して漠然とした不安を抱いている方は、本書でいろいろクリアになると思いますよ。
ただ、法律はしばしば改正されるものです。昨年のことでも、法律改正のために、まったく参考にならなくなってしまう場合があります。
カナダもそうでした。移民法が改正されたため、私個人での移民ビザ取得体験や、夫の家族クラスビザ(配偶者ビザ)取得体験は、もうあまり他の人の参考にはならなくなってしまいました(残念)。
ですから、本書を参考にされても、必ずご自分でも“現在の法律”を調べ、それにのっとった手続きを行なうようにしてくださいね。
あと、ビザや永住権取得のプロセスは、非常に個人差があるようで(これもカナダは同じ)、ぱたさんはご苦労されていましたが、スンナリ取れてしまう人もいるようです。だから、あまり怖がらずに、でもまあ心構えだけは充分にもって、対処していくといいのではないでしょうか。
【目次】
序章 アメリカ人と恋に落ちたら……
1章 国際結婚予備軍
2章 移民局初体験
3章 日本へ婚約報告に
4章 怒涛のビザ取得
5章 いよいよ結婚です
6章 移民局アゲイン
7章 結婚した後は
8章 エピローグ 楽しい結婚
<知恵袋> そもそもビザってなんだろう? なにが違法なの? ほか
体験談とは別に、法律などの事実を解説しているコラムが<知恵袋>として要所要所に配され、複雑な制度が理解しやすくなるよう、工夫されています。文庫版で読みやすいのもいいですね。
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