2019年(平成31年)はいのしし年(亥年)
2019年(平成31年)は亥年で、動物にあてはめると猪になります。そこで、いのしし年や猪に関する豆知識をご紹介。年賀状や新春の話題にご活用ください。※本来、干支とは十干と十二支を組み合わせたものなので、2019年の干支は「己亥(つちのとい)」になりますが、一般的には十二支のほうをさすため、本記事では「亥」をとりあげます。
Index
・十二支としての亥について
・いのしし年(亥年)生まれの特徴
・亥という字の成り立ち
・「亥の子の日」と亥の子餅
・猪についての豆知識~文化的特徴
・猪にまつわることわざ、慣用句、ことば
十二支としての亥について
- 十二支の12番目
- 亥の方位は、北西よりやや北寄り
- 亥の刻は、午後10時およびその前後2時間
- 亥の月は、旧暦10月
- 陰陽は陰、五行は水気
- 日本では亥を動物にたとえると猪ですが、中国、タイ、ベトナムなどでは豚となっています(理由は下記参照)
いのしし年(亥年)生まれの特徴
世の中にはさまざまな見解がありますが、いのしし年(亥年)生まれの人の特徴についてまとめると以下のような特徴になります。辛抱強く根性があり、自我をしっかり持っているので、何事もしっかりとやり遂げますが、頑固で他人の忠告を聞かず自分の意見をはっきる述べる傾向があります。また、神経質で心配性、飽きっぽいといった一面もありますが、お人好しでさっぱりしているので、友人がたくさんいます。
亥という字の成り立ち
亥という字は獣(一説ではイノシシ)の象形文字で、骸(なきがら)、核(たね)の字のように、骨格の表れるような形のものをいいます。「亥の子の日」と亥の子餅
亥の月である旧暦10月の第一亥の日を「亥の子の日」といい、「亥の子祝い」をする風習が西日本にみられます。亥の子の日の代表的な風習は、「亥の子餅」を食べて子孫繁栄や無病息災を祈ることです。亥の子餅とは、猪の子に見立てた餅菓子です。ちなみに、猪の子にはシマウリのようなシマ模様があるので「ウリ坊」という俗称があります。また、亥は五行で水に関係しているため、火事にならないといわれており、囲炉裏に火を入れ始める「炉開き」や、こたつやストーブを出す「こたつ開き」の習わしがあります。現在11月に行われている茶の湯の炉開きも、本来は亥の子の日に行われていました。
さらに、子どもたちが石で地面をたたいてもぐらなどを追い払う「亥の子づき」など、各地にさまざまな風習があります。
猪についての豆知識~文化的特徴
【イノシシの語源と特性】猪は子作りが上手なので子孫繁栄、勇敢な動物とされています。「イノシシ」ということばの語源は、大和言葉の「イ」(猪のこと)の「シシ」(肉のこと)からきています。古くから猪は狩猟の対象とされてきましたが、犬と同じぐらい鼻が敏感なうえ、神経質で警戒心が強い動物です。非常に突進力が強いため、不用意に接近すると全力で突撃されることがあります。
【猪の肉は「ぼたん」】
猪の肉を俗に「ぼたん」と呼ぶのは、取り合わせのよいもののたとえである「獅子に牡丹」に由来するという説と、赤い肉が白い脂肪で縁取られており、薄切りにして皿に盛った様子が牡丹の花に似ているからという説があります。日本では、獣肉を食べることが禁じられていた時代でも、「山鯨(やまくじら)」と称して食され、滋養強壮の食材であったため、「薬喰い」と呼ばれていました。
【猪と豚の関係】
猪が家畜化されて品種化されたものが豚です。日本では、縄文時代に猪の飼育が行われており、弥生時代に家畜化された豚が大陸から持ち込まれたと考えられています。現代中国語では「猪」ということばは豚を意味しており、猪は「野豚」と呼ばれています。また、中国では十二支の亥も猪ではなく豚を指しています。日本でお馴染みのイノブタは、豚と猪の交配によって生まれました。
【猪が泥の中を「のたうちまわる」】
猪は体調管理をするために泥浴をする習性があります。猪が泥浴をする場所を「沼田場(ぬたば)」といい、猪が転がりながら体中に泥を塗る様子を表した「ぬたうちまわる」から、「のたうちまわる」ということばができました。
猪にまつわることわざ、慣用句、ことば
●猪突猛進(ちょとつもうしん)猪は突進する習性があることから、目標に向かって猛烈な勢いで突き進むこと。周囲への配慮をせずがむしゃらにやり抜くこと。
●猪武者(いのししむしゃ)
向こう見ずに突進する武士。状況を考えずがむしゃらに事を行う人。
●猪勇(ちょゆう)
猪のように向こう見ずに突進する勇気。また、そのような人。
●猪見て矢を引く
事が起こってから慌てて対策を講ずること。
●猪も七代目には豕(いのこ)になる
猪ですら七代続けば豕(豚のこと)になることから、長い年月をかければどのようなものでも変化をするということ。
●ししを食った報い
悪いことをした後には、受けなければならない報いがあるということ。
●馴染みては猪の子も可愛い
どのようなでものでも慣れ親しむと情が移ってかわいく思えるということ。
●山より大きな猪は出ぬ
山に生息する猪が山より大きいはずがないように、入れ物よりも大きな中身などあり得ないということ。また、大げさな言い方もほどほどにしろということ。
●猪首(いくび)
首が太くて短いこと。また、そのような首。
●猪口才(ちょこざい)
小生意気なことや、小生意気な人。
●御猪口(おちょこ)
日本酒を飲むときなどに用いる小さな器。
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