秋の七草、名前の覚え方と簡単に覚えるコツを紹介
秋の七草とは次の7つのことで、秋を彩る植物として親しまれています。秋の七草【1】萩(ハギ)
萩(ハギ)/萩とは「秋に咲く草」という意味。お彼岸のおはぎはこの萩に由来
秋の七草【2】桔梗(キキョウ)
桔梗(キキョウ) /花期は夏なので、夏の着物によく描かれています
秋の七草【3】葛(クズ)
葛(クズ)/茎で籠や布を織り、根から採取したでんぷんがくず粉となる。漢方薬の葛根は根を乾燥させたもの
秋の七草【4】藤袴(フジバカマ)
藤袴(フジバカマ)/香りが強く、貴族たちは湯に入れたり、衣服や髪につけていたとか。別名「蘭草」「香水蘭」
秋の七草【5】女郎花(オミナエシ)
女郎花(オミナエシ)/恋に破れて身投げした女の脱ぎ捨てた山吹色の衣が、この黄色い花になったという。白い花だと「男郎花(オトコエシ)」。自然交配種は淡い黄色で「オトコオミナエシ」
秋の七草【6】尾花(オバナ)
尾花(オバナ) /ススキのこと。草が茂っている様子が「薄(ススキ)」で、穂が出た状態は動物の尾に見立てて「尾花」という。茅葺き屋根の材料として使うので「茅(カヤ)」とも呼ばれる
秋の七草【7】撫子(ナデシコ)
撫子(ナデシコ) /愛児を失った親が、その子の愛した花を形見として撫でたことに由来し、別名「形見草」という。日本女性の代名詞「大和撫子」はこの花からきている
秋の七草の由来
一般的にいわれている「秋の七草」は、万葉の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら・660年?~733年?)が二首の歌に詠んで以来、日本の秋を代表する草花として親しまれるようになったとされています。※「朝貌の花」は、「朝顔」「木槿(ムクゲ)」「桔梗」「昼顔」など諸説ありますが、一般的には「桔梗」を指すとするのが有力な説で、辞典類も「桔梗」とするものが多く見られます。
- 『秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花』 (山上憶良 万葉集 一五三七 巻八)
- 『萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花』 (山上憶良 万葉集 一五三八 巻八)
秋の七草と春の七草の違い
春の七草は1月7日の七草粥として有名ですが、秋の七草には直接何かをする行事がなく主に観賞用です。そのためか意外に覚えられず、すぐに忘れてしまいがちです。そこで、秋の七草の覚え方をご紹介します。マスターすれば、秋の散策やフラワーアレンジがぐんと楽しくなるでしょう。
秋の七草の覚え方1……57577(五・七・五・七・七 )の短歌で覚える
代表的な覚え方は、五・七・五・七・七の短歌のリズムに合わせて、歯切れ良く口ずさむこと。組み合わせ方は様々ですが、一番多いのが次の順番です。【ハギ・キキョウ / クズ・フジバカマ / オミナエシ / オバナ・ナデシコ / 秋の七草】
これを繰り返し口ずさんでいれば、自然にマスターしてしまうでしょう。
「ハギ・キキョウ / クズ・フジバカマ / オミナエシ / オバナ・ナデシコ / 秋の七草」
「ハギ・キキョウ / クズ・フジバカマ / オミナエシ / オバナ・ナデシコ / 秋の七草」
「ハギ・キキョウ / クズ・フジバカマ / オミナエシ / オバナ・ナデシコ / 秋の七草」
……なんとなく、頭に入ってきませんか?
秋の七草の覚え方2……頭文字の語呂合わせ
秋の七草の覚え方には、頭文字の語呂合わせバージョンもあります。秋の七草の頭文字を並べて、何か意味を成す文章に語呂合わせをする方法です。並べ方は自由ですから、自分なりに考えてみるのも楽しいものです。いろいろと考える作業も記憶に役立つでしょう。コツは文章自体を忘れないよう、インパクトが強い文章にすることです。
例えば……
■ハスキーなおふくろ
ハ=萩(ハギ)
ス=薄(ススキ)
キ=桔梗(キキョウ)
|
な=撫子(ナデシコ)
お=女郎花(オミナエシ)
ふ=藤袴(フジバカマ)
く=葛(クズ)
ろ
強いインパクトで忘れられなくなる秋の七草の語呂合わせ「ハスキーなおふくろ」
他にもこのような語呂合わせ例があります。
■お好きな服は?(オ ミナエシ/ス スキ/キ キョウ/ナ デシコ/フ ジバカマ/ク ズ/ハ ギ)
■フナオ君は好き?(フ ジバカマ/ナデシコ/オミナエシ/ク ズ/ハ ギ/ス スキ/キキョウ)
秋の七草の最強の覚え方は、五・七・五・七・七歌と語呂合わせの合わせ技
語呂合わせをしても、何の頭文字だったかを思い出せないと元も子もありません。まずは五・七・五・七・七の歌で七草に親しみ、頭文字の語呂合わせで覚えるという合わせ技が効果的です。【ハギ・キキョウ / クズ・フジバカマ / オミナエシ / オバナ・ナデシコ / 秋の七草】
「ハスキーなおふくろ」は、秋を豊かにするキーワードです!
春の七草の覚え方
せっかくなので、春の七草の覚え方もご紹介します。春の七草も、五・七・五・七・七のリズムに合わせて口ずさむと覚えられるでしょう。【セリ・ナズナ / ゴギョウ・ハコベラ / ホトケノザ / スズナ・スズシロ / 春の七草】
上記は、『芹なずな御形(ごぎょう)はこべら仏の座 すずなすずしろこれぞ七草』という四辻左大臣の歌になぞらえたものです。
秋の七草の覚え方に関してよくある質問
Q. 「にほんごであそぼ」で紹介された「秋の七草」の覚え方とは?
<春の七草の歌>
https://www2.nhk.or.jp/school/watch/bangumi/?das_id=D0005150377_00000
【歌詞】
せり/なずな
ごぎょう/はこべら/ほとけのざ
すずな/すずしろ/これぞ七草
Q. 「秋の七草」を覚えたけれど、「春の七草」のように食べても良いの?
例えば、ハギはめまいやのぼせ、キキョウの根は咳止め、オミナエシやナデシコは消炎、フジバカマはかゆみをとるなど、いろいろな効能があるそうです。特にクズから作る葛根(かっこん)は、風邪薬としても有名ですね。