ここ数年のドーナツ人気と競うかのように新店の進出が目立つ和の揚げ菓子「かりんとう」。油で揚げない「焼きドーナツ」が人気を博す中、「かりんとうにも油で揚げないものがある」、と耳にし、試してみたのは「菓寮 花小路」の「焼きかりんとう」。ふんわり、そしてさくりとした軽い食感にコクを補う黒糖の力強さ。何よりも「あっさり」という表現がしっくりくるかりんとうがあるとは思いませんでした。

(目次)
P1 「かりんとう」今昔
P2 「焼きかりんとう」の作り方と「黒糖のゴーフレット」

江戸時代から庶民のおやつ「かりんとう(花林糖)」

かりんとう
浅草の
「かりんとう 小桜」
かりんとう
江戸時代には既に庶民的な雑菓子(駄菓子、黒糖を使ったお菓子)としても親しまれていたとされる「かりんとう(花林糖)」。遣唐使が伝えた唐菓子に始まるとも、16世紀頃中国から伝来したとも、南蛮菓子の一種とも言われています。

黒糖がたっぷりついた素朴なものや、以前ご紹介した浅草の「かりんとう 小桜」 のような高級感のあるものなど、流行とは関係のないところで愛されているかりんとうがある一方で、最近は、東京駅エキナカGRANSTAのかりんとう専門店「日本橋 錦豊琳」 のように味に工夫を凝らすだけでなく、パッケージや店構えにファッション性を持たせたものも多く、かりんとうの世界も華やぎを見せています。

揚げない「焼きかりんとう」

焼きかりんとう
「菓寮 花小路」荏原店。
オンラインショップでも
購入可能。
(写真提供;菓寮 花小路)
さて、今回ご紹介するのは「菓寮 花小路」の油で揚げない「焼きかりんとう」。母体はパッケージの会社ですが、沖縄の知人の黒糖工場を生かすべく5年前に同店を立ち上げたとのこと。

作っているのは今のところ「焼きかりんとう」と「黒糖のゴーフレット」の2種類のみ。黒糖ありきで始まったお店だけあって、どちらも良質の黒糖が主役です。

焼きかりんとう
揚げない「焼きかりんとう」。
一見かりんとうとは
様子が異なる。
「焼きかりんとう」は一見スナック菓子のようでもあり、かりんとうとは違う様子。封を切ると食欲を刺激する黒糖の鄙びた香りが広がります。「油で揚げずにかりんとうの食感とコクが出るのだろうか。」と未知なる味への期待を高めながら1口カリリ。

軽さが「麩菓子」と似ていなくもありませんが、それよりも歯応えがあり、かりんとうを食べているのだと納得できる食感。固すぎないところがむしろ、年配の方には喜ばれそうです。

焼きかりんとう
使っているのは
沖縄県伊江島産の黒砂糖。
現地に専用の製糖工場を構える。
(写真提供;菓寮 花小路)
べた付かず、くどさもなく、油で揚げていないからこその美味しさ。さくさくとした食感の良さもさることながら、黒糖のコクと風味がいいのです。

黒糖は、専用の黒糖工場を構える沖縄県伊江島産のサトウキビから作られたもの。味にも香りにも力強さを感じます。