夏ばて気味の方にお勧めしたい、とろりと甘い「甘酒」。「せいぜい初詣のときに飲むくらい」という方、もったいない! 米と糀(こうじ)を発酵させた「甘酒」は、ノンアルコールで栄養たっぷり。甘くて美味しいだけではないのです。

(目次)
P1 「甘酒」の魅力
P2 甘酒を使った「はいからセット」とシャーベット

「天野屋」の甘酒造り

天野屋
「天野屋」
江戸時代には界隈に
たくさんの糀の店があった
神田明神前の「天野屋」は、1846年の創業以来、店の地下にある天然の土室(むろ)で造る糀(こうじ)をもとに、甘酒などを造り続けています。東京の真ん中にまだそんな場所があるなんて、ちょっと嬉しい発見です。

6代目の天野亀太郎さんによると、甘酒は米糀と同量の飯を撹拌し、熱湯を加えて60℃で10時間発酵させて造るそうです。濃厚な甘さは砂糖などの甘味を加えたのではなく、発酵の不思議な力で生まれるものです。酒粕を溶いて甘味を付けるタイプの甘酒とは異なり、ノンアルコールなので小さなお子さんやドライバーの方も安心して楽しめます。

温かい「甘酒」と「冷し甘酒」、「氷甘酒」

冷し甘酒
きりりと冷えた「冷し甘酒」
糀の質が良いので、時間が
経っても水と分離しづらい
甘酒の他にも季節毎にかき氷やお汁粉、あんみつなどで一息つける店内は、アンティークの宝庫です。古い時計や優しい光を放つカンテラなどを眺めながらゆっくりとくつろぐことができます。

甘酒は温かいものと冷たいものと2種類あり、夏には甘酒のかき氷「氷甘酒」も登場します。今でこそ熱々を冬に飲むイメージが強いものの、江戸時代には夏に飲まれていたという「甘酒」。鰻同様、暑い夏の栄養源だったようです。

甘酒
温かい「甘酒」
冷たいものより甘さが濃厚。
味噌を舐めつつ頂く。
発酵によって作られる甘酒は、ブドウ糖、ビタミン、アミノ酸などを含む栄養豊富な飲み物ですが、昔の人はそんな知識がなくても経験上、夏ばてに効くことを知っていたのですね。

温かい「甘酒」はこっくりと濃厚な甘さ、すっきりとした喉越しの「冷し甘酒」はさっぱりした甘さです。どちらも小麦麹で造った自家製のなめ味噌、「久方(ひさかた)味噌」が添えられます。しょう油やみりん、生姜、茄子、煎り大豆などを混ぜて造る味噌の複雑な旨みと適度な塩味は、とろりとコクのある甘酒を引き立てます。

次ページでは、甘酒洋菓子「はいからセット」をご紹介します>>