とらやの雛井籠(ひなせいろう)
「雛井籠(ひなせいろう)」 重箱入りの一口大の雛菓子 |
私が初めてこのお重と出会ったとき、その可愛らしさと美味しさに感激したことを覚えています。幼い頃口にしたものの印象は、その後の嗜好に大きく影響するもの。大人よりもずっと繊細な舌と感性を持つ子供にこそ、美味しくて美しい和菓子を食べさせてあげたいものです。
「仙寿(せんじゅ)」と「桃の里」
左は「桃の里」、右は「仙寿」 |
写真右は煉切で桃の形をかたどった「仙寿(せんじゅ)」。左は白餡を求肥で包み、カリカリとした砂糖を飾った「桃の里」。中国の仙女、西王母(せいおうぼ)が、3千年に一度実ると言われている仙桃を、長生を願う漢の武帝に与えた(参考『広辞苑』)、という故事からも、桃は長寿をもたらすと考えられていたことが伺えます。桃のお菓子には、女の子の健やかな成長への願いが込められているのでしょう。
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