愉悦の「お楽しみ」
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グラスとスプーンが出される |
『食前のお楽しみ』は、カクテルグラスで供される『ホワイトアスパラガスのブランマンジェ』。レンゲ型の小皿で添えられているのは『レモングラス風味のグラス・サレ』(塩味のシャーベット)である。
石板のようなずっしりとした皿に載せられて登場した料理に「……何だろう?」と、何か
今まで味わったことのないようなものを期待させられる。
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『ホワイトアスパラガスのブランマンジェ』 |
まずはグラスからブランマンジェをスプーンですくって食べ、口直しにグラス・サレをつまむことにする。ブランマンジェは、ウニとジュレで覆われている。ひとさじすくえば、ふわふわと軽やかな食感。ウニとクリームそしてアスパラガスの味わいが口中に広がり、
淡くデリケートな3種の甘味と香りが絡み合う。空っぽの胃袋に、季節の香りと淡い味わいのハーモニーがしみ込んでいく。たまらなく食欲がそそられる瞬間である。
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『レモングラス風味のグラス・サレ』 |
次にグラス・サレを食べてみる。レモンの香りのオリーヴ油を添え、上質なマルドン海塩の結晶を散らし、抹茶を振りかけてあり、つるりと滑らかで、ほんのりとした甘味に旨味のある軽い塩味がある。オイルや抹茶の香りが組み合わさった風味の不思議なモザイクに、続く料理への期待が高まる。