ワイン/ワインバー・レストラン

最新フランス料理を究める:オレキス(4ページ目)

美味を皿の上に描き出すシェフとワインを熟知した名ソムリエがコンビを組んだ――この店に行って食事を楽しめば、あなたが知らない至福の世界が広がる!

執筆者:橋本 伸彦

3つの素材と2つの香り


曼陀羅のような複雑さが楽しめる一皿目と比べて次の前菜は素材の数を減らし、オマール(いわゆるロブスターの仲間で大型のエビ)、グリーンアスパラガス、アーモンドと3つの食材を組み合わせる。オマールはバターで焼き、アスパラは塩ゆで、アーモンドは世界でも最高品質といわれるスペインのマルコナ種をローストしたものを使っている。アーモンドミルクの泡をあしらい、オレンジとヴェルヴェーヌ(ハーブの一種)のパウダーをまぶして香りのアクセントとしている。シンプルで勢いのある皿と見受けた。

『オマールエビ グリーンアスパラとマルコナアーモンド添えオレンジとベルベーヌの香り』

ホカホカと立ち昇るオマールの香り。香ばしいアーモンドの香りをしっかりと抽出したミルクの泡からも、湯気が立つ。しっとりと瑞々しく味わいのしっかりしたオマールとアスパラは好相性だが、オマールとアーモンドもこの上なく相性のいい食材で、オレンジやヴェルヴェーヌもオマールの香りとはよくなじむ。またもや、相性のいい素材の輪が広がり、皿の上に幸せな関係が築かれている。ひらりと添えられた葉が逆立ちしているのは、ありきたりなことは皿の上でやらないという料理人の意思の表れだろう。

2006年サン・ジョゼフ(ピエール・ガイヤール)
合わせてもらったワインは、ローヌ地方の白。ピエール・ガイヤールが造る2006年のサン・ジョゼフである。栽培は難しいが酸味や上品なアロマをもつワインになる、ルーサンヌという品種のブドウだけを使う。色は黄金色を帯びて、花やハーブのような芳香とほろ苦さがくっきりとして、充分な余韻にナッツのような香ばしさが漂う。バランスがよく上品で、なんともよく出来たルーサンヌだ。

オマールに高価なシャルドネなどを合わせることはよくある。だがこうした隠れた逸品を探し出し、料理と共に提示してくれるのが優れたレストランである。料理と共に味わえば、ワインのコクや香ばしさそしてハーブのようなアロマがそれぞれの食材と呼応して、これはもう、暫しの極楽である。

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