厨房が客を迎える
川崎誠也氏がオーナーシェフを務める『アラジン』。フランス料理店らしからぬ個性的な店名は、日本の食通の間で広く知られている。冬場のジビエ料理が名物なのだが、それに加えて野菜の扱いが見事なことでも知られる東京・広尾の名店である。ある晴れた日の昼下がり、ここを訪ねてランチにワインを合わせた。地下鉄の広尾駅からは少し歩くのだが、広尾商店街という新旧の商店が入り交じった活気あふれる商店街を通り抜けて行く。そこから大通りと橋を渡った対岸に、目印の赤い日除けが見えるという道順は、なかなか悪くない「非日常へのルート」である。
入口脇の窓から厨房が見える |