牛のチーズと羊のワイン
ムートン・ロトシルト1985年 |
このゴージャスなワインに、引き立て役としてシンプルなチーズをお供させる。クリーミーで柔らかなブリーと、硬質でナッツのような香りのあるコンテ。一切れずつで、充分満足だ。牛の乳で作ったチーズと「羊」を意味するムートン。この組み合わせは申し分ないものである。スパリュア氏が「あ……このワイン、お替りあるよね?」と訊いたのが何よりの証拠だ。
吉野建シェフが登場 |
「パリで日本人がミシュランの星を獲得する」という離れ業をやってのけた吉野氏。彼もカリフォルニアワインと同じように「パリ対決」に勝ったのである。優れたワインや料理が世に出るのは、我々にとって常に嬉しいことである。
ブラインドでワインを比較するということ
ディナーは夜半まで続いた |
してみるとパリ対決、30年以上経った今なお、強い説得力を持って迫ってくる勝負である。偉いワインだから旨い、のではない。ワインを「目隠し」で比較することで、我々は逆に「開眼」するのである。