パワフルなミネラルと酸味
シャトー・モンテレーナ『シャルドネ』2005年 |
これをマグロの赤身と合わせたのだが、マグロ赤身の酸味と呼応するかと思いきや、そうでもない。先ほどのカワハギの方が合うかもしれない。スパリュア氏も「この料理はおいしいけれど、油分やコクがあるのでシャトー・モンテレーナにはリッチ過ぎるかもしれない。魚ならどちらかと言えば白身、サンピエール(的鯛)などが合うのでは?」という。
ジョゼフ・ドルーアンの『ボーヌ クロ・デ・ムーシュ』2004年 |
たっぷりとヴォリューム感があり樽香の効いたシャルドネに、ゴージャスな甲殻類はまたとないお相手である。ここで合わせたのはオマール海老をいろいろと盛り合わせた一皿。
大ぶりなハサミと尾の身を盛り合わせ、コライユ(いわゆる脳味噌)はひらりと薄いラビオリ詰め、細かい身は肉団子のようにほろほろと固めてソーセージ仕立てでフワフワと泡のソースを載せてある。
添えられた、ほっこりと茹で上がったグリーンアスパラガスの繊細な旨味や甘味は、ワインともオマールとも快適に調和する。時間が経ち、ワインの風味がほぐれて来るにつれて、甘味のないハチミツのような芳香、ダイナミックな酸味のキレが現れる。これはまた、贅沢なワインだ。
メインディッシュと赤ワイン2種の競演>>