肉を食らい、ワインを飲む
ここの名物料理といえば、炭火焼である。いい素材をいい炭で焼くのは、シンプルながら料理のひとつの完成形といえる。地鶏の炭火焼は塩加減を穏やかに、表面は乾燥した火で香りよくいぶされているのに中はジューシーという炭火焼の特徴がしっかりと生きている。たとえば白いご飯のおかずにだってなりそうなくらいだが、ここはワインと合わせる。忘れちゃいけない、デザート
フルーツ、シャーベット、アイスクリーム、ブランマンジェにクレームブリュレそしてガトーショコラと、食後の甘味は豊富に揃っている。シャーベットは風味充分、ガトーショコラは濃厚ながらふわりととろける。ワインのある食事はこうしてデザートが満足行くものであって初めて、しっくりと完結すると思うのだが……食事の締めくくりにはブランデーなどスピリッツも豊富に揃っているので、訊いてみるといい。こうしてみるとスープルは、ワインバーというよりは立派なレストランである。ワインリストがおそろしく充実したレストラン、しかも多国籍料理を箸で食べられるスタイル。しかも廉価なのである。
甘美な罠にはまる>>