価格と味の微妙な関係


ワインを売る仕事をしていた時のことだ。ある年配のお客さんに真顔で訊かれた。
「あのー、高いワインは美味しいですか?」
…これはほとんど哲学的な問いかけだが、さて、あなたならどう答えるだろう?

高価なワインが投げ込まれた木箱
高価なワインはいろいろあるが、「高いワインは旨い」のか?

多くの人は疑問すら抱かない。「高いんだから旨いに決まってるじゃないか!旨いから高く売れるんだよ」と考える。また、高いワインを飲んで感激する人はいる。「うわー!やっぱり○○は高いけど、すごくおいしいね!」同じワインを飲んで、素朴な疑問をもつ人もいる。「えっ?これが○○万円!!!そんなに美味しいとは思えないけど…味が分からないのかな?」と。

高いワインにはプレステージやステイタスがつきものだ。文化と伝説と歴史、ロマンとドラマと知名度があるワインは少々高くたって問題なく売れるものだ。最近ではワイナリーのオーナーや醸造家、コンサルタントが著名人だとか、有名評論家が高得点をつけた、といったところが注意を惹く。

付加価値の高いワインで「どうしても欲しい!」と出費を惜しまない人が増えて、高い値段がつくものも出てくる。「味はどうでもいいから、とにかく高いワインを飲みたいんだ!」という人もこの値付けに参戦して、高価格が保持される仕組みだ。