ワイン/ワイン関連情報

このワインに、十円玉を入れてみると……(5ページ目)

『甲州きいろ香』開発にまつわる、風味のサイエンス。メルシャンが富永教授と「甲州」品種の共同研究。香りの成分を目印にして、このブドウの適熟期を探る。捜し求める味と香り、そのメカニズムとは?

執筆者:橋本 伸彦

さらにおいしい甲州へ

ラベルの小鳥について語る
初ヴィンテージの2004年は、5,000本の限定リリースだったメルシャン「甲州きいろ香(か)」だったが、2005年産は20,000本が出荷されている。ソーヴィニヨン・ブランに近い柑橘系のアロマがほのかに出ており、甲州を素材に生き生きした酸味のあるクリアな風味を志向する味わいである。

富永氏によると、きいろ香はソーヴィニヨン・ブランのような味だ、甲州らしくないという批判もある。しかし甲州種のブドウの風味を生かして造ったワインなのだから、これが今まで隠れていた甲州の香り、とも言えるのではないだろうか。一般的な甲州種ワインと比較したり、メルシャンと富永博士の研究に思いをはせながら味わってみるのがいいだろう。

技術的な質問に眼光鋭く応えていた富永博士が、「それから…」と付け加えたのは『きいろ香』のラベルに描かれた青い鳥は、氏がフランスで可愛がっていた鳥だということ。彼の著書でも登場する、今は亡き愛鳥「きいろ」を紹介する博士はひととき、愛鳥家の顔になった。

■関連リンク
メルシャン
「甲州きいろ香 2005」ニュースリリース
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