味を表現する場合のポイント
3.活性
茶葉の中のカフェインは苦味を、タンニンと表現されるカテキン類は渋みに大きな影響を与えます。これらの比率が適正であると、茶の香気と滋味に素晴らしい効果をもたらします。
この両成分の比率が適性であるものを「活性の良いお茶」といいます。
お茶そのものの活性は、通常、製茶過程における発酵度合いと焙煎度合いの組み合わせ加減で決まると考えられています。したがって、お茶の味わいの善し悪しが製茶の仕方に大きな影響を受けるわけです。もちろん、同じお茶の場合、入れ方も活性に関係が出てきますが、苦すぎたり渋すぎたりした茶は活性が良くない茶だと認識される活性は、もっぱら製茶過程のに問題があると認識されています。
4.収斂性
茶湯を口に含んだときに、舌にざらざら感を感じたり、飲み込んだ後に不快感を感じることがあります。その違和感や雑味の中でも、レモンを口に含んだ時に感じる酸味で口の中がぎゅっとすぼまる感覚を収斂味といいます。お茶は、このような収斂味のような雑味も非常に重要な味わいの要素です。
茶を収斂性が強いと味わいとして違和感を感じますが、まったく収斂味がないと、味がすかすかに感じてしまいます。そのため、収斂性は適度であると心地よい感覚があるといわれています。
5.回甘
口に茶を含んだときに喉に甘く潤った味わいを感じますが、これを回甘(Hui Gan)といいます。お茶のもつ最も重要な味わいの要素です。この回甘のあるお茶程、良いお茶とされます。さらに、この回甘が長く持続するお茶ほど、良いお茶なのです。
この回甘は、「喉韻」とも称されますが、あまり一般的ではありません。
6.余韻
これは特に説明しなくとも判るでしょう。茶を味わった後、しばらくしても引き続き茶の滋味が消えずに残るものを、余韻がある茶といいます。長く余韻が残る茶は良い茶であるのです。